衆院憲法審査会 緊急事態時の任期延長の必要性 各党が見解

大規模災害や戦争など緊急事態の際の国会議員の任期延長の必要性について、衆議院憲法審査会で、自民党が議論の取りまとめに入るよう求めたのに対し、立憲民主党は参議院の緊急集会で対応できるとして慎重な姿勢を示しました。

衆議院憲法審査会では、緊急事態の際の国会議員の任期延長や参議院の緊急集会のあり方などについて、衆議院法制局が論点を整理した資料を示した上で、各党が見解を明らかにしました。

自民党は「これまで積み重ねてきた議論を最終的にどう仕上げていくかが焦点になる」として、任期延長をはじめとする緊急事態条項について、幹事会を中心に議論の取りまとめに入るよう求めました。

また、日本維新の会、公明党、国民民主党も、任期の延長については合意点が見いだせるとして、合意形成や具体的な条文の作成の手続きに入るべきだなどと主張しました。

一方、立憲民主党は「衆議院の解散や任期切れで地位を失うはずの国会議員が、議席にとどまることは、民主的正当性を欠く」と指摘し、参議院の緊急集会で暫定的に国会の機能を果たすことができるとして慎重な姿勢を示しました。

また、共産党は任期延長に反対しました。

今の国会での衆議院憲法審査会の実質的な議論は、会期が延長されなければ、15日が最後になる見通しです。

自民 新藤政調会長代行 “毎週開催を堅持したい”

衆議院憲法審査会の与党側の筆頭幹事を務める、自民党の新藤政務調査会長代行は、記者団に対し「3月からは毎週、審査会を開催し、極めて活発な議論ができ、憲法論議が深められたことは喜ばしい。このペースを引き続き、きちんと堅持したい。緊急事態については去年12月に続いて2度目の論点整理をして、憲法9条についても議論が積み上がっているので、次の作業をしていきたい」と述べました。

立民 中川憲法調査会長「議論狭められて残念」

衆議院憲法審査会の野党側の筆頭幹事を務める、立憲民主党の中川憲法調査会長は、記者団に対し、今の国会での憲法論議について「議員任期の延長や参議院の緊急集会の話に議論が狭められてしまい、残念だ。国民の関心がないところに議論が迷い込んでいかないよう国民と対話していくことが大事だ」と述べました。