脱炭素社会へ木材の積極活用求める提言 経済界など参加の団体

脱炭素社会の実現に向けて、国内の森林資源を積極的に活用するよう求める提言を経済界などで作る団体がまとめ、政府などに働きかけていくことになりました。

この提言は、学識経験者や経済界などが参加する一般社団法人「プラチナ構想ネットワーク」が都内で開いたシンポジウムで発表しました。

この中では、政府が掲げる2050年の脱炭素社会の実現に向けてプラスチック製品の原材料として、原油から精製したナフサではなく木質バイオマスを使うことで二酸化炭素の排出削減につなげるほか、コンクリートなどに代わって木材を活用しオフィスビルなどを建設することで「都市の木造化」を進めるよう促しています。

提言では、こうした取り組みによって2050年の時点で現在の二酸化炭素の排出量のおよそ1割に相当する1億トンの削減が見込まれるほか、石油の輸入が減ることなどから4兆7000億円の経済効果が生まれると試算しています。団体では、この提言を政府などに提出し政策の推進を働きかけることにしています。

団体の会長をつとめる「三菱総合研究所」の小宮山宏理事長は「木材の需要を作ることで供給を引っ張っていくことと、ベンチャー企業の先進的な取り組みを活用することが重要だ。スピード感を持って林業を活性化していきたい」と話していました。