テニス 錦織圭 復帰戦ストレート勝ち けがから約1年8か月ぶり

テニスの錦織圭選手が、けがのためおととし10月以降にツアーを離れてから、およそ1年8か月ぶりに下部のツアー大会に出場し、アメリカの選手にストレートで勝って、復帰戦を勝利で飾りました。

元世界ランキング4位で33歳の錦織選手は、おととし10月、アメリカで行われたマスターズ大会に出場して以来、左股関節の痛みが続き、去年1月に手術を受けて復帰を目指しましたが、その後も足首を痛めて、昨シーズンのツアー復帰を断念し、現在は12年ぶりにランキングを外れています。

錦織選手は13日、プエルトリコで開かれている下部のツアー大会に出場し、およそ1年8か月ぶりに実戦に復帰しました。

相手は世界333位のアメリカのクリスチャン・ラングモ選手で、錦織選手は、第1セットの立ち上がりから相手のサーブを打ち返すリターンエースで奪ってブレークに成功し、上々の立ち上がりを見せました。

その後も、ライン際を狙ったバックハンドの鋭いショットが決まったほか、積極的に前に出てネット際のプレーで攻め、第1セットを6-2で取りました。

第2セットの第3ゲームは、粘り強くボールを拾ってストローク戦を展開し、相手の頭上を越す巧みなロブショットを決めてブレークを奪うと、「カモン!」と大きな声を上げました。

その後は相手の粘りで競り合う展開となりましたが、錦織選手はマッチポイントを握って、最後にサーブアンドボレーでポイントを奪い、このセットを6-4で取りました。

錦織選手は、セットカウント2対0のストレート勝ちで、復帰戦を勝利で飾りました。

錦織選手は試合直後、観客の拍手に手を上げて応え、ベンチに腰を下ろして笑顔を見せていました。

錦織 “ここに立てる幸せ感じながらプレー”

復帰戦を勝利で飾った錦織選手は「会場の湿気と自分の緊張など、いろんなことで体はむちゃくちゃ重かったが、何とか勝つことができてうれしかった。この試合でうまくプレーできるのかとも考えたが、試合前は、できるだけポジティブに考えるようにして、この試合に勝とうが負けようが、ここに立てることの幸せを感じながらプレーしようと思っていた。プレー内容もよかったので満足している」と振り返りました。

そして、日本のファンに向けて、「正直なところ、誰もいないところで静かに試合をさせてほしかったところもあったが、下部のツアー大会にもかかわらず、お客さんが見に来てくれて、内容もよかったので、次も頑張ります」と話していました。