フランス ルーブル美術館に移送のウクライナ美術品 公開へ

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナの貴重な美術品を保護するため、フランスのルーブル美術館に移送された作品が展示されることになり、一般公開を前に13日、メディア向けに公開されました。

公開されたのは、ウクライナの首都キーウにあるハネンコ美術館からことし5月、パリにあるルーブル美術館に移送された5つのキリスト教の宗教画です。

このうちイエス・キリストと2人の聖人が木の板に描かれた作品は、6世紀から7世紀に制作されたもので礼拝用に使われたということです。
また、聖人を描いた13世紀から14世紀の作品は、ごく小さな銀のかけらや金を使ったモザイク画で、5つの作品はいずれも貴重で、適切な保存環境が必要だということです。

これらの作品は、侵攻開始の当初は、戦火を避けて地下などで保管していましたが、侵攻が長期化したことから、ウクライナ側がルーブル美術館に作品の保護を依頼し、フランスに移送されました。

ユネスコ=国連教育科学文化機関によりますと、ロシアによる軍事侵攻の開始以降、ウクライナでは、美術館や歴史的な建物など、250以上の文化財が被害を受けているということです。
13日、ルーブル美術館で会見したウクライナのトカチェンコ文化情報相は「ロシアはウクライナの遺産を破壊しようとしているが、それは成功しない」と述べました。

ルーブル美術館での作品の一般公開は14日から11月まで行われる予定です。