先月 熱中症で搬送 全国で3600人余 5月としては2番目の多さ

先月、熱中症で病院に搬送された人は全国で3600人余りと、5月としては統計を取り始めた2015年以降で2番目に多くなりました。ことしの夏は気温が平年並みから高くなると予想されるため、防災関連の学会で作る団体は、今から体を暑さに慣らすなど対策に努めてほしいと呼びかけています。

総務省消防庁によりますと、先月、全国で熱中症で搬送された人は速報値で3647人となり、去年の同じ時期を1000人近く上回って、5月としては統計を取り始めた2015年以降、2番目に多くなりました。

さらに、この夏は気温が平年並みか高くなると予想されるとして、防災に関わる62の学会などで作る団体「防災学術連携体」は、夏の防災の注意点をまとめた動画を公開し、今のうちから熱中症対策をとるよう呼びかけています。

この団体に加わる日本救急医学会の横堀將司理事は「先月は体が暑さに慣れる前に気温が急に上がり、熱中症患者が急増した」としたうえで、本格的な夏を迎える前に運動で軽く汗をかくなどをして体を暑さに慣らすことが重要だと強調しました。

さらに、横堀理事は「熱中症弱者」として高齢者や乳幼児、高血圧や糖尿病などの持病がある人などを挙げたうえで「熱中症の4割は屋内で起き、寝たきりや1人暮らしの人は特にリスクが高い。エアコンをためらわずに使用することや、周囲の人の見守りが重要だ」と述べて注意を呼びかけました。