パラオ大統領 “福島第一原発 廃炉透明性高めること大切”

太平洋の島しょ国、パラオのウィップス大統領が、13日、福島県を訪れ、東京電力福島第一原子力発電所を視察したあと、県庁で内堀知事と会談しました。このなかで、ウィップス大統領は、原発の廃炉について透明性を高めることが大切だとの考えを示しました。

日本政府は、福島第一原発の廃炉をめぐって、トリチウムなどの放射性物質を含む処理水を基準を下回る濃度に薄めて、ことし夏ごろまでに海への放出を始める方針で、パラオを含む太平洋の島しょ国などと対話を続けています。

パラオのウィップス大統領は、12日から4日間の日程で日本を訪れていて、13日、福島県いわき市の水産加工場や福島第一原発を視察しました。

原発では、13日に試運転が始まった処理水を薄めて海に流す設備を見学し、東京電力側から計画の安全性について説明を受けたということです。

このあと、ウィップス大統領は、県庁を訪れ、内堀知事と会談しました。

この中でウィップス大統領は、「福島第一原発を見学できたのはよい機会で、いろいろな課題があることを理解できた。廃炉は透明性を高めることが大切だと感じた」と述べました。

処理水については具体的に言及しませんでした。

これに対し内堀知事は「廃炉は今後も困難なプロセスが待ち受けているが復興のための挑戦を続けていく」と応じていました。

ウィップス大統領は、14日、岸田総理大臣と会談する予定です。