記録廃棄問題 最高裁が大分事故の遺族に謝罪 記録の復元検討へ

社会的に注目された少年事件や民事裁判の記録が各地の裁判所で廃棄されていた問題で、最高裁判所は13日、大分県の高校の部活動中に男子生徒が倒れて亡くなった事故の遺族に謝罪し、永久保存するはずだった記録の復元を検討していることを明らかにしました。

1997年に神戸市で起きた児童連続殺傷事件など重大事件の記録の廃棄が各地で発覚したことを受けて、最高裁判所は先月25日、廃棄の経緯や保存のあり方について報告書をまとめました。

13日は、14年前に大分県立竹田高校で部活動中に熱中症で倒れて亡くなった工藤剣太さんの両親が最高裁判所を訪れ、学校での事故の責任を追及した民事裁判の記録が、永久に保存する「特別保存」に指定されていたにもかかわらず、大分地裁の不適切な事務処理によって廃棄されていたことについて担当者から直接、説明を受けました。

両親によりますと、担当者からは「取り返しのつかないことをしてしまいおわび申し上げます」と謝罪があったということです。

また、記録をできるかぎり復元し、国立公文書館などで保存することを検討していると明らかにしたということです。

父親の英士さんは「失われた記録をできるかぎり復元したいということばを聞けてよかった。二度と同じようなことがないようにしてほしい」と話していました。

また、母親の奈美さんは「裁判所側の誠意が伝わり、大分から足を運んだ価値があった。大分地裁だけの問題ではないので、廃棄されてしまったほかの重要な裁判記録についても復元してほしい」と話していました。