IAEA事務局長 福島第一原発処理水放出めぐり来月訪日で調整

福島第一原発にたまる処理水を、基準を下回る濃度に薄めて海に放出する計画をめぐり、IAEAのグロッシ事務局長が来月上旬に日本を訪れる方向で調整が進められていることが分かりました。岸田総理大臣はグロッシ事務局長との会談を経て、放出を始めるタイミングを最終判断するものとみられます。

政府は、東京電力福島第一原子力発電所にたまる処理水について、基準を下回る濃度に薄めてことし夏ごろまでに海への放出を始める方針です。

これに関連しIAEA=国際原子力機関は、日本政府からの要請を受けて、去年2月から今月にかけて安全性を検証する専門家による調査団を派遣し、近く包括的な評価をまとめた報告書を公表する見通しです。

こうした中、IAEAのグロッシ事務局長が来月上旬に日本を訪れ、岸田総理大臣に報告書を手渡す方向で調整が進められていることが政府関係者への取材で分かりました。

岸田総理大臣はグロッシ事務局長との会談を経て、報告書の内容も踏まえながら、処理水の放出を始めるタイミングを最終判断するものとみられます。

また、グロッシ事務局長は日本滞在中、福島第一原発や、青森県六ヶ所村にある使用済み核燃料の再処理工場の視察を行うことも検討しているということです。