オスプレイの佐賀空港配備へ 防衛省 駐屯地の建設工事開始

陸上自衛隊の輸送機、オスプレイの佐賀空港への配備に向けて、防衛省は、オスプレイが駐機するために新たに整備する駐屯地の建設工事を開始しました。

防衛省は南西地域の防衛体制を強化するため、佐賀空港にオスプレイ17機を配備する計画で、新たな駐屯地は、佐賀空港の西側にある33ヘクタールの土地に整備されることになっています。

現地では12日午後3時半ごろ、建設会社の工事車両が入り、そのあと「駐屯地新設工事を行っています」などと記された看板がたてられ、仮設の事務所の設置作業などが始まりました。

防衛省九州防衛局は今月中には昼間の土砂の搬入を開始し、そのあと、工事用の道路や雨水などをためる調整池などを整備して、建物の建設を始めるとしています。

佐賀空港に配備される計画のオスプレイは、千葉県の木更津駐屯地に2025年7月までを期限に暫定配備されていて、防衛省はそれまでの完成を目指すとしています。

一方、予定地周辺ではオスプレイの配備計画に反対する住民などおよそ30人が、「佐賀空港の軍事基地化反対」などと書かれた横断幕や旗を掲げ、反対を訴えました。

集まった1人は「やり方が強引で、怒りの気持ちです。工事は絶対にやめてもらいたい」と話していました。

着工を前に周辺地区の住民に向けて行われた説明会で、防衛省は、夜間も含めて24時間体制で工事を行う計画を示し、住民からは影響を懸念する声が出されていました。

浜田防衛相 “早期に開設できるよう工事進める”

陸上自衛隊の輸送機オスプレイの佐賀空港への配備計画で、防衛省が駐屯地の工事を始めたことについて、浜田防衛大臣は周辺の生活環境への影響が可能なかぎり小さくなるよう配慮しながら、早期に駐屯地が開設できるよう工事を進める考えを示しました。

佐賀空港へのオスプレイ配備に向けて防衛省は12日、漁協が所有していた空港西側の土地に陸上自衛隊の駐屯地を整備するための工事を始めました。

これについて、浜田防衛大臣は閣議の後の記者会見で「作業に際しては周辺の生活環境への影響が可能なかぎり小さくなるよう努める。例えば、土砂の搬入開始までの間に佐賀市とよく相談しながら生活環境に関する市の要望を踏まえた具体的な対応を整理して進めていく」と述べました。

そのうえで「今後、工期の短縮に効果的な工法などを採用し、移駐に必要な施設を優先的に整備していく」と述べ、早期に駐屯地が開設できるよう工事を進める考えを示しました。