ユネスコ “5年前に脱退のアメリカ 7月に復帰の意向”

ユネスコ=国連教育科学文化機関は、トランプ前政権時代の5年前にユネスコを脱退したアメリカが、来月、復帰する意向を示したことを明らかにしました。
アメリカのバイデン政権としては国際協調を重視する姿勢を示すねらいがあるとみられます。

これは、ユネスコのアズレ事務局長が12日、フランスのパリにあるユネスコ本部で開かれた臨時の会合で明らかにしました。

アメリカは、イスラエル寄りの姿勢を鮮明にしていたトランプ前政権時代に、ユネスコについて「反イスラエル的だ」などとして脱退する意向を表明し、5年前に正式に脱退しました。

会合で、アズレ事務局長はアメリカから来月、復帰する意向を示す書簡が送られてきたとしたうえで「きょうはユネスコと多国間主義にとって、非常に重要な日となった。これは、われわれが団結して働きかけてきた成果であり、誇りに思う」と述べました。

また、ユネスコによりますと、アメリカは書簡の中で、拠出を凍結していた分担金の支払いを行う意向も示しているということです。

アメリカがユネスコに復帰する意向を示した背景には、バイデン政権として国際協調を重視する姿勢を示すねらいがあるとみられます。

バイデン政権は、これまでにもトランプ前政権が離脱した地球温暖化対策の国際的な枠組み「パリ協定」や、国連人権理事会などに復帰しています。

ユネスコは国連の専門機関の1つで教育の普及や文化の発展などを目的に掲げ、世界の貴重な文化や自然を保護し、世界遺産への登録を行っています。