奈良 山下知事 前知事の「肝いり事業」中心に予算執行中止

5月に就任し、県の大型事業の見直しを進めている奈良県の山下知事は、前知事の「肝いり事業」を中心に15の項目について予算のすべて、または一部の執行を中止すると発表しました。

山下知事は、荒井前知事が推し進めていた大型事業など20の項目について、予算の執行をいったん停止し、必要性などを見極める「査定」を進めてきました。

そして、12日の会見で、荒井前知事の「肝いり事業」を中心に15の項目について、予算のすべて、または一部の執行を中止すると発表しました。

具体的には、滑走路を備えた大規模広域防災拠点を五條市に整備する事業は、計画を大幅に見直し、予算額の95%にあたる24億9千万円余りの執行を中止するということです。

また、奈良市の平城宮跡を横切る近鉄奈良線の線路の移設に向けた、3100万円余りの関連予算も執行を中止するとしています。

事業費の削減額は、今年度分が68億円あまり、将来の分も含めるとおよそ4730億円になるということです。

山下知事は「執行中止で得た財源はできるだけ今後の予算案に反映し、子育て支援や医療福祉の充実など県民の暮らしに関わる分野にあてたい。対象の事業がある市や町との協議は継続していく」と話しています。

奈良県の6月定例議会は今月16日に開会する予定で、過半数の議席を持つ自民党系の会派などの理解を得られるかが焦点になります。