ゼレンスキー大統領 “水力発電所のダム決壊 ICCが調査開始”

ウクライナのゼレンスキー大統領は、南部ヘルソン州の水力発電所のダムが決壊したことをめぐって11日、ICC=国際刑事裁判所による調査が始まっていると明らかにしました。

ウクライナ南部ヘルソン州では、カホウカ水力発電所のダムが決壊して大規模な洪水が発生しています。

ウクライナ内務省は11日、これまでに6人が死亡したほか、35人の行方がわかっていないと発表しました。

ロシアとウクライナの双方は、相手が意図的に破壊したものだと非難しています。

こうした中、ゼレンスキー大統領は11日に公開した動画で、「ダムが決壊した日のうちに、ICC=国際刑事裁判所に調査を要請し、すでに始まっている」と明らかにしたうえで、調査に協力する考えを示しました。

ICCはダムの決壊の要因や、それが戦争犯罪にあたるのかどうかなどを調べるものとみられています。

ゼレンスキー大統領は、被害を受けた地域では避難する人へのロシア軍の攻撃が相次いでいると説明し、「動物ですらロシアより道徳をわきまえている」と強く非難しました。

ウクライナ軍は、領土奪還を目指して反転攻勢を進める一方、ロシア側もウクライナ軍に供与されたドイツ製の戦車などを破壊したと主張し、激しい攻防が続いているとみられます。