企業物価指数 前年同月比で5.1%上昇 前月よりも伸び率は鈍化

企業の間で取り引きされるモノの価格を示す5月の企業物価指数の速報値は、前の年の同じ月と比べて5.1%上昇しました。電力や都市ガスの料金が5月から下落したことなどを背景に伸びは鈍化しました。

日銀が発表した5月の企業物価指数の速報値は、2020年の平均を100とした水準で119.1となり、高止まりが続いています。

一方で上昇率は5.1%と、4月の5.9%から伸びは鈍化しました。

上昇率が鈍化した背景には、原油などのエネルギー価格が下落傾向にあることや、再生可能エネルギーの普及のために電気料金に上乗せされている「再エネ賦課金」が値下げされたことなどから、電力や都市ガスの料金が5月から下落したことがあります。

また、調査対象となった515品目のうち、およそ84%に当たる433品目で値上がりしていて、飲食料品などで原材料価格の上昇を販売価格に転嫁する動きは続いています。

日銀は、「不確実性が高い状況が続いているが、海外経済の影響も含めた国際商品市況や為替の変動を受けた輸入物価の動向、また、川下への価格転嫁の動きなどを引き続き注視していく」としています。