米FRB 13日から金融政策会合 利上げ見送りか継続か 判断に注目

13日から2日間開かれる、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会の金融政策を決める会合について、市場では、今回は利上げを見送るのではないかとの見方が強まっています。
一方、インフレを抑え込むために利上げを継続するとの観測もあり、政策判断が注目されます。

FRBは、記録的なインフレを抑えこむため、去年3月にゼロ金利政策を解除して以降、これまでに10回連続で利上げを決めています。

アメリカでは4月の消費者物価指数の上昇率が10か月連続で前の月を下回り、2年ぶりに4%台となるなど、インフレが落ち着く傾向が表れています。また、相次いだ銀行破綻をうけて、金融機関がさらに融資を絞り込む可能性があります。

FRBは13日から2日間、金融政策を決める会合を開きます。市場では、今回は利上げを見送るのではないかとの見方が強まっています。

一方、5月の雇用統計では、農業分野以外の就業者数が市場予想を大きく上回りました。賃金の上昇圧力が続いているとの統計や、人手不足から運送費が下がらないなどのデータもあり、インフレを抑え込むためにFRBが利上げを継続するとの観測もあります。

FRBのジェファーソン理事は5月31日、利上げの見送りを示唆する一方、それがピークと解釈すべきではないとも発言しており、今回のFRBの政策判断が注目されます。

専門家の間でも見方分かれる

FRB=連邦準備制度理事会が利上げを当面、見送るかどうかについては、アメリカの専門家の間でも見方が分かれています。

▽アメリカの資産運用会社「オールスプリング・グローバル・インベストメンツ」のチーフ投資ストラテジスト、ジョージ・ボリー氏は、今回の会合では利上げを見送ったあと、年内は、さらなる利上げを行わないと予想しています。

ボリー氏は「私たちはFRBがさらに利上げするとは考えていない。今回の会合で利上げを止め、上昇した金利を少なくとも、ことしの終わりまで維持するだろう。FRBはこれまで多くの利上げを行い、その効果が出始めているところだ」と話しています。

▽一方、アメリカの資産運用会社、PGIMのチーフエコノミスト、ダリープ・シン氏は、今回の会合で利上げが見送られた場合でも、インフレの収束に時間がかかる見通しが出れば、今後さらなる利上げが行われる可能性を指摘しています。

シン氏は「人手不足で、働く人の供給が追いついていない。需給のバランスが崩れて賃金は高止まりしている。インフレはFRBの目標に比べてまだ高すぎる。経済にブレーキをかけるために、まだやるべきことがあるかもしれない」と話しています。