国枝慎吾さん“世界引っ張る選手”全仏 最年少優勝 小田に期待

車いすテニス界のレジェンド、国枝慎吾さんは、テニスの全仏オープン車いすの部男子シングルスで初優勝を果たし、史上最年少で四大大会男子シングルスを制した17歳の小田凱人選手について「もはや後継者というよりも、彼自身が新しい車いすテニスの世界を作って引っ張っていく、そうした選手になり得る可能性を十分秘めている」と話し、新たなエースに期待を寄せました

国枝さんは10日夜、小田選手が全仏オープンの車いすの部、男子シングルスで史上最年少で優勝を果たしたあと、オンラインでインタビューに応じました。

国枝さんは、決勝の小田選手の勝因について、「サーブとサービスリターンという最初の1球目で相手を制していて、必ず小田選手が主導権を握る展開を最初のゲームから最後のポイントまでずっとやり続けた。リターンエースを量産することで、相手にどこにサーブを打てばいいんだという心境にさせたのが勝ちにつながった」と分析しました。

そして世界の大舞台で力を発揮したことについて、「ことし1月の全豪オープンで四大大会の決勝を経験しているからか、1ゲーム目からアクセル全開でプレーできたこと、それを最終ポイントまでやり続けたこと、ミスをしても自分が主導権を握ること、そこに集中しきったこと、これが彼のメンタルの強さを示したところだった」と話しました。

2022年10月
国枝さんは、去年の全仏オープンで自身通算8回の優勝を果たし、ことしの大会を小田選手が制したことについては、「しっかりバトンがつながった印象はある」と話したうえで、「ただ彼はまだ17歳という年齢で、四大大会優勝、そして世界ランキング1位までたどりついていることを考えると、もはや後継者というよりも彼自身が新しい車いすテニスの世界を作って引っ張っていく選手になり得る可能性を十分秘めている。これから小田選手が長いこと世界ランキング1位に君臨し続けるんじゃないか」と大きな期待を寄せました。

そして「まだまだ年齢も考えるとピークはここじゃないはずだと思っているので、これから彼がどういった進化を見せてくれるのか。僕自身も引退したら、やっぱり彼のファンでもあるので、やっぱりそういったところを楽しみにしていたい」と笑顔で話しました。