体操 全日本種目別選手権決勝 南 千葉 芦川が世界選手権代表に

世界選手権の代表選考をかねた体操の全日本種目別選手権の決勝が行われ、男子は南一輝選手と千葉健太選手が代表に決まりました。

世界選手権の代表選考は、4月の全日本選手権、5月のNHK杯、それ全日本種目別選手権の3つの大会の成績をもとに決まります。

男子の代表メンバーは5人で、このうちオリンピックと世界選手権でともに金メダルを獲得し、全日本選手権とNHK杯で3連覇を果たした橋本選手と、NHK杯2位の萱和磨選手、それにNHK杯3位の三輪哲平選手の3人がすでに決まっています。

残る2人は代表選考の3つの大会の成績を踏まえて、団体総合でメンバーを編成した際にどれだけ得点に貢献できるかを検討して決まります。

11日、東京 渋谷区の代々木第一体育館で行われた決勝で、23歳の南選手は、得意のゆかで演技の冒頭、着地でラインを超えるミスがあったものの、予選より難度を上げた構成を安定感のある演技でまとめ、15.133をマークして、この種目で5連覇を果たしました。
また、27歳の千葉選手は3種目に出場し、初めての代表入りに向けて強化してきたあん馬で、F難度の「ブスナリ」を決めるなど、持ち味の足がまっすぐに伸びた美しい演技を披露し、この種目4位の14.233をマークしました。

千葉選手は、つり輪や平行棒でも安定した演技を見せ、南選手とともに世界選手権の代表に決まりました。

一方、女子は残り1つの枠をかけて争われました。
芦川うらら選手はおととしの世界選手権で金メダルを獲得した得意種目の平均台に出場し、開脚しながらジャンプしたあとにバランスを崩して落下するなど、ミスが出て12.700と得点を伸ばせませんでした。

しかし、芦川選手は、これまでの代表選考会での得点と合わせて貢献度が高いとして、世界選手権の代表に決まりました。

ことしの世界選手権は、9月からベルギーで開かれ、女子は来年のパリオリンピックの出場枠をかけて戦います。

南「団体でもゆかでも金メダルをとりたい」

世界選手権の代表に決まった南一輝選手は「ゆかは前半はよかったが、後半にバテてしまった。跳馬はこれまでで一番のできだったので気持ちいい形で代表に入れた」と話しました。

南選手は、おととしの世界選手権は種目別で出場していますが、団体のメンバーに選ばれるのは初めてで「自分の演技ができれば日本に貢献できると思う。自分の実力を世界で出し切って、団体でも種目別のゆかでも金メダルをとりたい」と話していました。

千葉「いい評価もらえるよう練習頑張りたい」

初めて世界選手権の代表に選ばれた千葉健太選手は「試合中そわそわしたり、ヒリヒリした空気だったのでそこから解放されたことと初めて代表に入れたといううれしさがある。2日間通して大きなミスは1つだけでほかがよかったのでいい試合だった」と笑顔で話しました。

その上で「世界選手権は団体で金メダルを獲得したい。自分の美しい体操を世界に見せたいし、いい評価をもらえるよう練習を頑張りたい」と意気込んでいました。

芦川「ことしはリベンジ」

2年ぶりの世界選手権代表に決まった芦川うらら選手は「優勝して終わりたかったので悔しいが、無事に代表に戻ってくることができてうれしい気持ちでいっぱいだ。去年はすごく悔しい思いをしたので、ことしはリベンジという気持ちで臨みたい」と話しました。

その上で、世界選手権に向けて「ここからがスタートだと思う。自分の演技をやりきることで団体の貢献につながると思う。自分の役目をしっかり果たしてメダル獲得したい」と力強く話しました。