ウクライナ軍の反転攻勢 東部と南部で作戦展開か

ウクライナ軍による大規模な反転攻勢について、ロシアのプーチン大統領は、すでに始まっているという認識を示しました。

ウクライナ軍は東部と南部で作戦を展開し、一部では前進しているという見方も出ていて、双方の攻防が激しくなることが予想されます。

ロシアのプーチン大統領は9日、記者団に対し、ウクライナ軍による領土奪還に向けた大規模な反転攻勢がすでに始まっているという認識を初めて示し、これまでのところロシア軍が反撃を阻止していると主張しました。

また「確かに最新鋭の兵器は十分ではないが、生産はハイペースで進んでいる」とした上で、「ウクライナ軍の反撃の可能性は残っている」と述べて警戒感も示しました。
一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は9日に公開した動画で、国防省や軍の司令官などから前線の戦況について報告を受けたとした上で、「敵が確実に敗北を喫する可能性のあるあらゆる方向に集中する」と述べましたが、反転攻勢が始まったのかは明言していません。

ウクライナのマリャル国防次官は9日、SNSに「各地で緊迫した状況が続いている」と投稿し、東部で激戦が続いているほか、南部ザポリージャ州でロシア軍が防衛作戦を展開していると明らかにしました。

また「避けられない最悪の犠牲は人命だ。そして破壊されない兵器はまだ作られていない」と書き込み、ウクライナ側にも被害が出ていることを示唆しました。

戦況を分析しているイギリス国防省は10日「この48時間、東部と南部の複数の地域でウクライナ側の重要な作戦が展開されている。一部ではウクライナ軍が順調に前進し、ロシアの最初の防衛線を突破したようだ」と指摘しました。

アメリカのシンクタンク「戦争研究所」も9日、「ウクライナ軍は少なくとも4つの地域で反撃作戦を継続している」と分析していて、双方の攻防が激しくなることが予想されます。