米 トランプ前大統領 退任後の機密文書保持など37件の罪で起訴

アメリカのトランプ前大統領が退任後の機密文書の取り扱いを巡って起訴され、国防に関する情報を故意に保持した罪など、あわせて37件で罪に問われていることが明らかになりました。

トランプ氏はあらためて無実だと主張しています。

この問題は、FBI=連邦捜査局が去年(2022年)8月、南部フロリダ州にあるトランプ前大統領の自宅を捜索したところ、最高機密を含む複数の機密文書が見つかったとされるものです。

フロリダ州にある連邦地方裁判所は9日、起訴状を開示しました。

それによりますと、トランプ氏は大統領を退任後、最高機密を含む文書を扱う資格がないにもかかわらず、自宅に保持していたとして、国防に関する情報を故意に保持した罪に問われています。

また、FBIなどに文書が見つからないよう移動させていたとして司法妨害の共謀の罪などにも問われ、合わせて37件で起訴されました。
文書の中には、外国の核兵器やアメリカ軍の能力に関する情報が含まれていたということです。

このうち、国防に関する情報を故意に保持した罪に問われているのは31件で、有罪となった場合、それぞれ最大で禁錮10年の刑が科される可能性があります。

また、司法妨害の共謀の罪は1件で、最大で禁錮20年の刑が科される可能性があります。

アメリカ大統領経験者が、連邦レベルの捜査に基づき起訴されたのは初めてです。
捜査を指揮した特別検察官のジャック・スミス氏は会見で、「国防情報を保護する法律に違反することは、われわれの国を危険にさらすことになる」と述べ、起訴の意義を強調しました。

トランプ氏は9日、SNSに「間違ったことは何もしていない」などと投稿し、自身は無実だと主張しています。

一方、バイデン大統領はトランプ氏の起訴について記者団に対し「コメントすることはない」と述べました。
トランプ氏は6月13日に裁判所に出廷し、罪状認否に臨む見通しです。

機密文書 どう持ち出した? どこに保管?

9日に開示された起訴状はトランプ氏がホワイトハウスから機密文書をどのように持ち出し、その後どう扱っていたのか、詳しく記しています。

それによりますと、おととし1月、トランプ氏は大統領退任に伴い、ホワイトハウスから多数の機密文書が入った箱を南部フロリダ州にある自宅「マー・アー・ラゴ」に運ぶよう指示したとしています。

このうちいくつかは、イベントや集会などに利用される部屋で保管されていたほか、トイレやシャワー室で保管されていたものもあるとしています。

また、80箱以上が保管されていたとされる倉庫では、いくつかの箱が崩れ落ち、「ファイブ・アイズ」と呼ばれるアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの5か国だけが共有する機密情報が記された文書が床に散乱していたとしています。

倉庫に通じる廊下は、複数の入り口から入ることが可能で中には、しばしば開けたままにされているところもあったとしています。

またトランプ氏は、おととし7月、東部ニュージャージー州の事務所でインタビューに応じた際、アメリカ国防総省が準備した「ある国への攻撃計画」について出版関係者に説明したとしています。

このとき、トランプ氏は「これはまだ機密情報だ」と話していたとして、機密だと知りながら、機密情報を扱う資格を持たない出版関係者などに情報を開示していたと指摘しています。

さらに同じ年の8月か9月、トランプ氏は政治団体の代表と面会した際、ある別の国の機密の地図を示し、軍事作戦がうまくいっていないなどと説明したとしています。この代表も機密文書を扱う資格はなかったとしています。

このほか、トランプ氏は、FBIが去年、機密文書に関する捜査を開始し、連邦大陪審が機密と記された文書をすべて提出するよう求めたのに対し、トランプ氏は「文書は持っていないとFBIや大陪審にうそをついてはどうか」などと弁護士に提案したり、文書の入った箱を隠すよう関係者に指示したりしたとして、捜査を妨害しようとしたと指摘しています。