プーチン大統領 ウクライナ軍の大規模な反転攻勢開始 認識示す

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ軍による大規模な反転攻勢が始まったという認識を初めて示しました。
また、ロシアの戦術核兵器のベラルーシへの配備について、7月上旬に保管施設を完成させたあと、直ちに開始すると表明し、欧米側へのけん制を一段と強めるねらいがあるとみられます。

ウクライナ軍による大規模な反転攻勢をめぐってロシアのプーチン大統領は9日、ロシア南部のソチで記者団に対して「始まったと確実に言える」と述べ、反転攻勢が始まったという認識を初めて示しました。

そして、「この5日間、激しい戦闘が行われている。しかし敵はどの地域でも成功しなかった」と述べ、これまでのところ、ロシア軍が反撃を阻止していると主張しました。

また、プーチン大統領は、同盟関係にある隣国ベラルーシのルカシェンコ大統領とソチで会談し、戦術核兵器のベラルーシへの配備について来月7日か8日に保管施設を完成させたあと、直ちに開始すると表明しました。

ウクライナが反転攻勢の動きを本格化させる中、軍事支援を続ける欧米側へのけん制を一段と強めるねらいがあるとみられます。

ダム決壊による洪水被害 これまでに5人死亡13人不明

一方、ウクライナ南部のヘルソン州で発生したダムの決壊による洪水の被害が広がっています。

ウクライナのクリメンコ内相は9日、ヘルソン州と、隣接するミコライウ州で、これまでに合わせて5人が死亡したほか、13人の行方が分からなくなっていると明らかにしました。

合わせておよそ70の集落で浸水の被害が出ているとしています。

また、ヘルソン州でロシア側が支配する地域の当局者はSNSで、これまでに8人が死亡したと明らかにしたうえで、場所によっては1週間以上、水が引かない可能性を指摘しました。

被害が出ているのは、多くがロシア側が支配するドニプロ川の南東側とみられていて、ロシア側の当局者は、2万2000棟余りが浸水しているとしていますが、被害の全容は依然として明らかになっていません。