五輪談合 電通グループが調査報告書 “法令順守の感度の鈍さ”

東京オリンピック・パラリンピックの運営業務をめぐる談合事件で子会社の元幹部が起訴された「電通グループ」は、外部の有識者らによる調査報告書を公表しました。顧客の意向を過剰なまでにくみ取ろうとする組織風土や、法令順守の感度の鈍さを指摘し、リスク管理の強化などを求めています。

東京オリンピック・パラリンピックの運営業務をめぐる談合事件では、子会社の電通の元幹部などが独占禁止法違反の疑いで逮捕・起訴され、法人としての「電通グループ」も同じ罪で起訴されました。

会社では社外取締役でつくる特別委員会を設けたうえで、外部の有識者らが調査を行い、原因の究明や再発防止に必要な対応などを報告書としてとりまとめました。

会社が9日公表した報告書によりますと、今回の問題点として、過剰なまでに依頼主の意向をくみ取ろうとする「クライアント・ファースト」を偏重する組織風土があったのではないかとしています。

また、経営陣も含め法令上のリスクに対する感度が鈍く、手続きの公正性や透明性への配慮も著しく欠いていたと指摘した上で、会社に対し、企業理念や行動指針を改め、リスク管理を強化する新しい制度の導入などの再発防止策を求めています。
事件のあと、会社では、再発防止のための委員会を5月に設置していて、五十嵐博社長は「目標達成にこだわるあまり、手段の適切性に対する認識の甘さが残っていたと言わざるを得ません。経営陣・従業員とともに改革に取り組みます」などとコメントしています。