坂本龍一さんが目の前で生演奏しているような体験 最新技術で

ことし亡くなった音楽家の坂本龍一さんが、目の前でピアノを生演奏しているような体験ができる、最新技術を使ったコンサートの試験公演がアメリカ・ニューヨークで行われました。

ニューヨークで開かれたこのコンサートは、ことし3月に亡くなった坂本龍一さんの生演奏を、最新技術を駆使して体験してもらおうというもので、8日、限られた観客を前に試験公演が行われました。

訪れた観客は1人ずつゴーグル型の装置をかぶり、円形に並べられたいすに座りました。
コンサートが始まると、何もなかった場所に坂本さんの姿が現れ、ピアノを演奏する様子をゴーグルを通して見ることができます。

また、観客は会場を自由に動けるようになっていて、坂本さんの見える場所に近づいていくと、すぐ目の前で演奏している様子も見られるよう工夫されています。

訪れた人たちは、思い思いの場所から映画「戦場のメリークリスマス」のテーマ曲など、およそ1時間の演奏を楽しんでいました。
監督を務めたトッド・エッカートさんは「坂本さんが演奏する時の手や髪、めがねや表情、あらゆる要素をこの中に詰め込んでいる。ファンはもちろん、まだ聞いたことがない人にも体験してほしい」と話していました。

観客の1人は「たくさんの人を感動させた坂本さんにとても近くで接することができた」と話していました。

このコンサートは、10日から一般公開され、来月まで開かれるということです。