「仕組み債」で千葉銀行など行政処分勧告へ 証券取引等監視委

高い利回りをうたう一方でリスクを伴う「仕組み債」と呼ばれる金融商品をめぐって、「千葉銀行」と子会社の証券会社、それにさいたま市に本店を置く「武蔵野銀行」がリスクを十分に説明せずに顧客に販売したなどとして、証券取引等監視委員会は3社に対して行政処分を行うよう金融庁に勧告する方針です。

関係者によりますと証券取引等監視委員会は、「千葉銀行」と子会社の「ちばぎん証券」、それに「武蔵野銀行」の3社が仕組み債のリスクを十分に説明せずに顧客に販売したなどとして金融商品取引法に基づいて行政処分を行うよう9日にも金融庁に勧告する方針を固めました。

金融商品取引法は、顧客の知識や経験、それに財産の状況などに照らして不適当な勧誘や販売を行ってはならないという原則を定めていますが、ちばぎん証券は投資の経験が少ない顧客に十分なリスクの説明をせずに仕組み債を販売していたということです。

また、提携関係にある千葉銀行と武蔵野銀行はそれぞれの顧客の情報をちばぎん証券に提供していましたが、監視委員会はこの2つの銀行が法律が求めている投資家保護のために必要な対応をとっていなかったと判断したとみられます。

「仕組み債」をめぐっては金融機関がリスクを十分に説明せずに顧客に販売したなどとしてトラブルが相次いでいますが、金融庁はこの3社は特に悪質性が高いとみて今回の勧告を受けて行政処分を検討することにしています。

鈴木金融相「十分な説明行っているか重点的にモニタリング行う」

これについて鈴木金融担当大臣は9日の閣議のあとの会見で、一般論だとした上で「仕組み債は商品性が複雑で、顧客によっては理解が困難であり、リスクやコストに見合う利益が得られない場合がある」と指摘しました。

その上で、鈴木大臣は「金融機関が顧客の投資経験などを適切に把握し、それに見合った販売や勧誘を行っているか、リスクやコストについて、顧客にわかりやすく十分な説明を行っているか、重点的にモニタリングを行っている」と述べ、金融機関の販売管理体制が適切か引き続き確認する考えを示しました。