尖閣沖 中国海警局の船2隻が領海侵入 政府は官邸対策室を設置

8日正午前、沖縄県の尖閣諸島の沖合で中国海警局の船2隻が日本の漁船1隻の動きにあわせるように相次いで日本の領海に侵入しました。海上保安本部がただちに領海から出るよう警告を続けています。

第11管区海上保安本部によりますと、日本の領海のすぐ外側にある接続水域を航行していた中国海警局の船2隻が9日午前11時53分頃、南小島の沖合で日本の漁船1隻の動きにあわせるように相次いで領海に侵入しました。

正午現在、南小島の南南東およそ20キロの領海内を航行している漁船1隻の周辺の海域を航行しています。

海上保安本部が周囲に巡視船を配備して安全を確保するとともにただちに領海から出るよう警告を続けています。

尖閣諸島の沖合で中国海警局の船が日本の領海に侵入するのが確認されたのは先月24日以来でことしに入って17件目です。

政府は「情報連絡室」を「官邸対策室」に切り替え

政府は、総理大臣官邸の危機管理センターに設置している「情報連絡室」を、午前11時53分に「官邸対策室」に切り替え、情報収集と警戒監視にあたっています。

松野官房長官「強い懸念を伝え抗議した」

松野官房長官は午後の記者会見で「中国は近年、わが国周辺での軍事活動を拡大、活発化させており、今回もその一環と見られる。海上自衛隊の艦艇が監視などを行うとともに、外交ルートを通じて強い懸念を伝え抗議した」と述べました。

一方、中国海警局の船の領海侵入が確認されたことについては「厳重に抗議し、速やかに領海から退去するよう強く求めた。誠に遺憾で受け入れられず、緊張感を持って警戒監視に万全を尽くし、冷静かつきぜんと対応していく」と述べました。