イギリス政府「中国警察拠点閉鎖」 中国政府は存在自体を否定

中国の警察が反体制派の監視などのため、各国に拠点を設けていると指摘されている問題で、イギリス政府は、国内4か所の拠点について、いずれも閉鎖されたなどとする調査結果をまとめました。これに対し中国政府は「各国の司法や主権を尊重している」として、拠点の存在自体を否定しています。

この問題はスペインの人権団体が去年、中国の警察が欧米や日本など50を超える国に合わせて100か所以上の拠点を設け、現地に住む中国の反体制派を監視したり、圧力をかけたりしていると指摘したものです。

イギリス政府は6日、首都ロンドンを含む国内4か所について進めていた調査の結果を明らかにし、中国大使館から「そのような拠点は恒久的に閉鎖された」とする回答があったほか、中国当局による違法な活動が行われた証拠はこれまでに確認されていないとしました。

そして「これらの拠点は許可を受けずに開設され、安全と自由を求めて中国を離れた人たちにとって、懸念や脅威になっていたと見られ、受け入れられない」と強調しました。

これに対し、中国外務省の汪文斌報道官は7日の記者会見で「中国は一貫して国際法を厳格に守り、各国の司法や主権を尊重している」と述べ、拠点の存在自体を否定しました。

そのうえで「イギリスは事実を尊重し、大げさに騒ぎ立てたり中国を中傷したりするのをやめ、両国関係に障害を作らないよう望む」と、けん制しました。

中国の「警察拠点」をめぐってはことし4月、アメリカの司法当局が、ニューヨークに拠点を開設し運営に携わっていたとして男2人を逮捕するなど、各国が調査や対応を進めています。