不漁対策 海洋環境の変化に対応が必要 水産庁検討会が提言

日本近海でサンマやサケなどの不漁が続く中、水産庁の検討会は、漁業の対象となる魚種を複数組み合わせたり、養殖業との兼業化を進めたりして、海洋環境の変化に対応する必要があるとする提言をまとめました。

日本近海でサンマやスルメイカ、それにサケなどの不漁が続く中、水産庁は、ことし3月に設けた専門家や業界団体で作る検討会で具体的な対策について検討を進め、提言をとりまとめました。

それによりますと、地球温暖化の影響などで日本近海では海面の水温が上昇し、海流の流れにも大きな動きがみられるなど、漁業環境を取り巻く状況は大きく変化していると指摘しています。

この影響で一部の漁業資源の減少傾向が続く一方、イワシやブリなどは資源量が回復傾向にあるほか、これまで西日本が主な漁場となっていたタチウオの漁獲量が東北で増えるなど、これまでとは異なる海域で魚がとれるケースも出てきているとしています。

このため水産庁の検討会は、漁業の対象となる魚種を複数組み合わせたり、養殖業との兼業化を進めたりして、海洋環境の変化に対応する必要があると指摘しています。

水産庁は今回の提言を踏まえて、これまでの制度を見直したり、加工や流通の仕組みを整えたりして、漁業関係者の経営を支援することにしています。