イギリス ハリー王子が出廷“電話の盗聴により記事書かれた”

イギリスのチャールズ国王の次男ハリー王子は、大衆紙を発行する会社を相手取った裁判に初めて出廷し、留守番電話の盗聴といった違法な手段によって記事が書かれたなどと訴え「卑劣で不当な行動の責任をとらせる」と批判しました。

ハリー王子は、プライバシーを侵害されたなどとして、イギリスの大衆紙「デイリー・ミラー」などを発行する会社を相手取って損害賠償を求める裁判を起こしていて、6日、ロンドン中心部の高等裁判所にあたる高等法院に初めて出廷しました。

提出された意見陳述書で、ハリー王子は、1996年から2010年にかけて、留守番電話に録音された家族や交際相手からのメッセージの盗聴といった違法な手段によって、大衆紙の記者たちが情報を集め記事を書いていたなどと訴えました。

また、母親のダイアナ元皇太子妃も生前、こうした違法行為に苦しめられていたとして、大衆紙を発行する会社に対し「卑劣で不当な行動の責任をとらせる」と批判しました。

一方、会社側は盗聴はしていないと主張しています。

イギリスメディアは、国王に近い王室のメンバーが裁判所で証言するのは、1891年以来、およそ130年ぶりだと伝えています。

ハリー王子は、大衆紙を発行するほかの会社に対しても同様の訴訟を起こしていて、王室への取材活動のあり方に疑問を呈しています。