人工知能学会 生成AI “活用へ環境整備を”“リスクや懸念も”

人工知能に関する最新の研究成果などを発表する人工知能学会の大会が6日、熊本市で始まり、急速に活用が広がっている生成AIを日本の起爆剤にしていくための課題などをテーマに研究者らが議論を交わしました。

人工知能学会の全国大会は6日、熊本市で始まり、事務局によりますと4日間の日程で行われる研究発表や講演など、およそ900の催しのうち、「ChatGPT」などの生成AIに関するものがおよそ1割を占めているということです。

このうち「日本は生成AIを起爆剤にできるのか」をテーマに行われたトークセッションでは、人工知能学会の副会長で、慶應義塾大学の栗原聡教授が「生成AIはサポートツールとして圧倒的な効率化を図ることができる。誰もが最先端の生成モデルを活用できる環境を国策として作るべきだ」と述べ、生成AIの分野で日本が世界でリードしていくための環境整備の必要性を指摘しました。

また、オンラインで参加した東京大学の松尾豊教授は「生成AIは新たな産業革命であり、未来を拓く」とした上で、「リスクや懸念もある。特にクリエーターを中心に自分の作品が学習され、似たような作品が大量に生成されることが実際に起きている」として、活用と開発、リスクへの対応についてバランスを取りながら進める重要性を訴えました。

大会は9日まで熊本市の熊本城ホールで開かれ、生成AIをロボットの制御に応用する研究や企業の導入例を紹介した研究の発表などが予定されています。