ロシア国防相「ウクライナが各地で反転攻勢を開始した」と主張

ロシアのショイグ国防相は、ウクライナ軍が各地の戦線で反転攻勢を開始したと主張しました。イギリス国防省は「戦線での戦闘が大幅に増えた」と指摘するなど、領土奪還に向けたウクライナ軍の動きが新たな局面に入っている可能性が出ています。

ロシアのショイグ国防相は6日、声明を発表し「ウクライナは3日間にわたり、各地の戦線で反転攻勢を開始した」と主張しました。

声明では、ロシア軍の兵士71人が死亡し、210人がけがをしたものの、攻撃は阻止され、ウクライナ側は3700人余りの兵士と、およそ400の戦闘車両などに被害が出たとしています。

一方、ウクライナ国防省は5日「ロシア軍は情報戦や心理戦を強化し、偽の情報を広めてくる」と指摘しながら、大規模な反転攻勢については「開始の宣言はない」とするにとどまっています。

イギリス国防省は6日「この48時間、戦線での戦闘は、比較的静かだった場所も含めて大幅に増加した」と指摘しています。

また、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは5日、砲撃やミサイル発射を追跡できる機能を持つアメリカ軍の人工衛星が、ウクライナ軍の動きが活発になっていることを捉えたとして、反転攻勢が始まった可能性があると伝えるなど、領土奪還に向けたウクライナ軍の動きが新たな局面に入っている可能性が出ています。

こうした中、ウクライナ南部の水力発電所のダムが決壊して洪水が起き、ゼレンスキー大統領は6日「ロシアのテロリストが発電所の内部を爆破した」として、ロシアを強く非難しました。

ダムは、ロシアが占拠しているザポリージャ原子力発電所にも冷却水を供給しているということで、IAEA=国際原子力機関は現時点で原発の安全への影響はないとしていますが、ウクライナの水力発電公社は、ダムの貯水池の水位が急激に下がっていて原発をさらに危険な状態に追いやっているとして懸念を強めています。