「骨太の方針」原案 “賃上げ持続” “少子化反転へ対策強化”

政府は、ことしの「骨太の方針」の原案をまとめました。赤字の中小企業も賃上げを促進できるようにするため、税制を含めた対応策を検討するとしているほか、子ども・子育て政策を抜本的に強化し、少子化の傾向を反転させるとしています。

原案では、賃上げが30年ぶりの高い水準となっていると強調した上で、この動きを持続的なものにして分厚い中間層を復活させるとしています。

具体策として、リスキリング=学び直しの支援を含めた「人への投資」を充実させるほか、赤字の中小企業も賃上げを促進できるようにするため、税制を含めた対応策を検討するなどとしています。

また、半導体分野などへの投資の促進や、スタートアップの支援などを通じ、経済成長を図る考えです。

さらに、子ども・子育て政策は最も有効な未来への投資だとして、近く決定する児童手当の拡充策などを盛り込んだ「こども未来戦略方針」に沿って対策を抜本的に強化し、少子化の傾向を反転させるとしています。

そして、国民に実質的な追加の負担を求めることなく推進することを明記する方向で調整を進めています。

一方、財政の健全性を示す指標の1つ「基礎的財政収支」をめぐっては、2025年度に黒字化するとした目標は維持した上で、その後の中期的な経済財政の枠組みを作るため、来年度中に必要な検証を行うと明記しています。

政府は、この原案を、7日の経済財政諮問会議に示し、与党との調整も経たうえで、今月中に閣議決定することにしています。