ウクライナと国境を接するロシア西部のベルゴロド州の知事によりますと、国境近くのシェベキノが、6日だけでおよそ460回の砲撃を受けたほか、無人機による攻撃を受けたということです。
さらに7日は、州内の村がウクライナ側からミサイルによる攻撃を受けたとしています。
ベルゴロド州には、プーチン政権に反対するロシア人などの義勇兵を名乗る2つの組織が繰り返し侵入し、戦闘を行っていると主張しています。
またベルゴロド州の隣に位置し、同じくウクライナと国境を接するクルスク州の知事は「ウクライナ軍が変電所に爆発物を投下し、地域の電力供給が止まった。破片によって作業員1人が負傷した」と7日、SNSに投稿しました。
ウクライナとの国境に近いロシアの各地では、燃料施設などを狙った無人機による攻撃が相次いで報告され、ウクライナ側はこれまで直接の関与を否定してきましたが、ロシア軍の後方支援の拠点への攻撃など領土奪還に向けた軍事作戦の一環だという見方が出ています。

【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(7日の動き)
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる7日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。
(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)
国境近いロシア西部の州で攻撃相次ぐ
「ウクライナ側 軍事作戦への影響 限定的」米シンクタンク
アメリカのシンクタンク「戦争研究所」は6日、ダム決壊の責任の所在は現時点では分からないと指摘しました。そのうえで、今後の戦況への影響について「ウクライナ側は、ダムの損傷による洪水が反転攻勢の準備を妨げることはないとしている。洪水の影響を受けた地域は、戦闘の最前線から地理的に遠く、影響を及ぼさない可能性が高い」と分析し、ウクライナ側の軍事作戦に与える影響は、限定的だという見方を示しました。
「さらなる洪水を引き起こすおそれ」イギリス国防省
イギリス国防省は7日の分析で「決壊する前、ダムの水位が記録的な高さだったため、大量の水が下流地域に押し寄せた」と指摘しました。そして、このダムから冷却水の供給を受けるザポリージャ原子力発電所がただちに安全上の問題に直面する可能性は低いとしたものの「ダム施設の構造物が今後数日間でさらに劣化し、さらなる洪水を引き起こすおそれがある」と被害の拡大を警告しています。
ゼレンスキー大統領「数十万人が飲料水を得られず」
ウクライナのゼレンスキー大統領は「この地域には侵攻後も数万人以上が暮らしている。すでに数十万人が飲料水を得られなくなった」と7日、SNSに投稿しました。
一方、ロシア側の地元当局者は国営のタス通信に対し、ロシア側の支配地域で7人が行方不明だとしています。
一方、ロシア側の地元当局者は国営のタス通信に対し、ロシア側の支配地域で7人が行方不明だとしています。
ダム決壊で町の一面が水に 南部ヘルソン州
ウクライナ南部ではカホウカ水力発電所のダムが決壊し洪水が発生したことで、浸水の被害が広がっています。
AP通信が7日配信した南部ヘルソン州の映像では、町のあたり一面が水につかり、人々が毛布に身を包みながらボートに乗って避難する様子がとらえられています。
現場では水がトラックの運転席の近くまで達して人々が車の上に避難している様子や、救助された人が担架で運ばれているのも確認できます。
避難した住民の1人は「水が勢いよく流れ出してきました。息子が近所の人からボートを借りてきて、そのおかげで脱出できました」と話していました。
一方、7日にウクライナ国防省が公開したヘルソン州の動画では、人々が車やボートの上に避難している様子が確認できます。
また、動画では車で人々を救助するさなか、水が2メートルほどの高さまで達することもあったとする証言を伝えています。
AP通信が7日配信した南部ヘルソン州の映像では、町のあたり一面が水につかり、人々が毛布に身を包みながらボートに乗って避難する様子がとらえられています。
現場では水がトラックの運転席の近くまで達して人々が車の上に避難している様子や、救助された人が担架で運ばれているのも確認できます。
避難した住民の1人は「水が勢いよく流れ出してきました。息子が近所の人からボートを借りてきて、そのおかげで脱出できました」と話していました。
一方、7日にウクライナ国防省が公開したヘルソン州の動画では、人々が車やボートの上に避難している様子が確認できます。
また、動画では車で人々を救助するさなか、水が2メートルほどの高さまで達することもあったとする証言を伝えています。
ウクライナのダム決壊で国連安保理緊急会合「最も重大な事件」

ウクライナ南部で水力発電所のダムが決壊し洪水が発生したことについて、国連の安全保障理事会では6日、日本時間の7日午前5時すぎから、対応を協議する緊急会合が開かれました。
冒頭、国連で人道問題を担当するグリフィス事務次長は「国連は、ダムの破壊につながった状況について独立した情報を入手できていない」とした上で「去年2月にウクライナ侵攻が始まって以来、民間インフラの被害としては最も重大な事件になるだろう」と述べ、危機感を示しました。
このあと各国からは、民間インフラへの攻撃は直ちにやめるべきだという意見が相次ぎました。
このうち、アメリカのウッド国連大使は、ダムの決壊の原因について調査中だとした上で「ロシアがウクライナに対して残忍な戦争を始めなければ、今回の人道的な危機は存在しなかった。ロシアの全面的な侵攻は、罪のない人々の命を危険にさらし、ウクライナの人たちの生活を破壊し続けている」と述べ、ロシア軍の即時撤退を求めました。
冒頭、国連で人道問題を担当するグリフィス事務次長は「国連は、ダムの破壊につながった状況について独立した情報を入手できていない」とした上で「去年2月にウクライナ侵攻が始まって以来、民間インフラの被害としては最も重大な事件になるだろう」と述べ、危機感を示しました。
このあと各国からは、民間インフラへの攻撃は直ちにやめるべきだという意見が相次ぎました。
このうち、アメリカのウッド国連大使は、ダムの決壊の原因について調査中だとした上で「ロシアがウクライナに対して残忍な戦争を始めなければ、今回の人道的な危機は存在しなかった。ロシアの全面的な侵攻は、罪のない人々の命を危険にさらし、ウクライナの人たちの生活を破壊し続けている」と述べ、ロシア軍の即時撤退を求めました。

また、ウクライナのキスリツァ国連大使は「ロシアが爆弾を爆発させ、ヨーロッパで最大規模の人為的災害をもたらした。ウクライナの重要インフラに対するテロ行為だ」と述べ、ロシアを強く非難しました。
一方、ロシアのネベンジャ国連大使は「ウクライナの政権は考えられない罪を犯した。ウクライナと西側諸国は偽の情報を流している」と述べ、ダムを破壊したのはウクライナ側だとして、国連が客観的な調査を行うべきだと主張しました。
一方、ロシアのネベンジャ国連大使は「ウクライナの政権は考えられない罪を犯した。ウクライナと西側諸国は偽の情報を流している」と述べ、ダムを破壊したのはウクライナ側だとして、国連が客観的な調査を行うべきだと主張しました。
ホワイトハウス「何が起きたか確定的に言うことはできない」

ウクライナ南部にある水力発電所のダムの決壊の原因などについて、ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は6日の記者会見で「現時点で何が起きたのかを確定的に言うことはできない。より多くの情報を集めるためにウクライナ側と協力している」と述べるにとどめました。
ロシア人による武装組織の幹部 “首都モスクワまで攻め込む”

ロシアのプーチン政権に反対し、ウクライナと国境を接する西部の州で連日攻撃を行っているロシア人による武装組織「自由ロシア軍」の幹部が、NHKのインタビューに応じました。幹部は、ウクライナ軍と密接に連携しつつも「ロシア領内での攻撃は独自に行っている」と述べ、最終的には首都モスクワまで攻め込むのが目標だと強調しました。
NHKのオンラインインタビューに6日応じたのは「自由ロシア軍」の政治部門の幹部イリヤ・ポノマリョフ氏です。
この中でポノマリョフ氏は「われわれはウクライナ軍の外国人部隊として正式に組み込まれていて、これまでもウクライナの前線でロシア軍と戦ってきた」と述べました。
NHKのオンラインインタビューに6日応じたのは「自由ロシア軍」の政治部門の幹部イリヤ・ポノマリョフ氏です。
この中でポノマリョフ氏は「われわれはウクライナ軍の外国人部隊として正式に組み込まれていて、これまでもウクライナの前線でロシア軍と戦ってきた」と述べました。

その上で「ウクライナ軍はロシアの領土を攻撃しないと西側諸国に約束しているので、ロシア領内での攻撃はあくまで独自に行っている」と述べ、ウクライナ軍と密接に連携しつつも、攻撃は独自の判断によるものだと主張しました。
また、ポノマリョフ氏は、部隊について、プーチン政権に反対しロシア軍を離反した兵士らが中心になって作られ、自由ロシア軍に4個大隊、ともに戦っているロシア義勇軍に1個大隊の規模の兵力がいると説明し、「いまも数千人の志願兵が応募してきているが、スパイがいる可能性がありチェックを厳重にしなければならず、メンバーを増やす上で障害になっている」と明かしました。
そして「まだ兵力は少ないが、われわれの目標はモスクワだ。プーチンは戦争に負けて政権は崩壊していくと、エリートたちに思い知らせた上で、最終的には首都に入っていくことを目指している」と述べ、プーチン政権の打倒のためモスクワまで攻め込むのが目標だと強調しました。
また、ポノマリョフ氏は、部隊について、プーチン政権に反対しロシア軍を離反した兵士らが中心になって作られ、自由ロシア軍に4個大隊、ともに戦っているロシア義勇軍に1個大隊の規模の兵力がいると説明し、「いまも数千人の志願兵が応募してきているが、スパイがいる可能性がありチェックを厳重にしなければならず、メンバーを増やす上で障害になっている」と明かしました。
そして「まだ兵力は少ないが、われわれの目標はモスクワだ。プーチンは戦争に負けて政権は崩壊していくと、エリートたちに思い知らせた上で、最終的には首都に入っていくことを目指している」と述べ、プーチン政権の打倒のためモスクワまで攻め込むのが目標だと強調しました。
ロシア国防相「ウクライナが各地で反転攻勢を開始した」と主張

ロシアのショイグ国防相は6日、声明を発表し「ウクライナは3日間にわたり、各地の戦線で反転攻勢を開始した」と主張しました。
声明では、ロシア軍の兵士71人が死亡し、210人がけがをしたものの、攻撃は阻止され、ウクライナ側は3700人余りの兵士と、およそ400の戦闘車両などに被害が出たとしています。
声明では、ロシア軍の兵士71人が死亡し、210人がけがをしたものの、攻撃は阻止され、ウクライナ側は3700人余りの兵士と、およそ400の戦闘車両などに被害が出たとしています。

一方、ウクライナ国防省は5日「ロシア軍は情報戦や心理戦を強化し、偽の情報を広めてくる」と指摘しながら、大規模な反転攻勢については「開始の宣言はない」とするにとどまっています。
イギリス国防省は6日「この48時間、戦線での戦闘は、比較的静かだった場所も含めて大幅に増加した」と指摘しています。
イギリス国防省は6日「この48時間、戦線での戦闘は、比較的静かだった場所も含めて大幅に増加した」と指摘しています。

また、アメリカの有力紙ニューヨーク・タイムズは5日、砲撃やミサイル発射を追跡できる機能を持つアメリカ軍の人工衛星がウクライナ軍の動きが活発になっていることを捉えたとして、反転攻勢が始まった可能性があると伝えるなど、領土奪還に向けたウクライナ軍の動きが新たな局面に入っている可能性が出ています。
ダム決壊 ゼレンスキー大統領がロシアを非難

ウクライナ南部の水力発電所のダムが決壊して洪水が起き、ゼレンスキー大統領は6日「ロシアのテロリストが発電所の内部を爆破した」として、ロシアを強く非難しました。
ダムは、ロシアが占拠しているザポリージャ原子力発電所にも冷却水を供給しているということで、IAEA=国際原子力機関は現時点で原発の安全への影響はないとしていますが、ウクライナの水力発電公社は、ダムの貯水池の水位が急激に下がっていて原発をさらに危険な状態に追いやっているとして懸念を強めています。
ダムは、ロシアが占拠しているザポリージャ原子力発電所にも冷却水を供給しているということで、IAEA=国際原子力機関は現時点で原発の安全への影響はないとしていますが、ウクライナの水力発電公社は、ダムの貯水池の水位が急激に下がっていて原発をさらに危険な状態に追いやっているとして懸念を強めています。
フィンランド ロシア大使館職員9人を国外追放処分
北欧フィンランドの政府は6日、現地のロシア大使館の職員9人について、諜報活動に従事し、外交関係に関するウィーン条約に違反したとして、国外への追放処分にすると発表しました。
合わせてフィンランド政府は、ウクライナで水力発電所のダムが破壊されたことについて「人道的、環境的な災害だ。ウクライナの市民だけでなく、環境に対する大規模な破壊を引き起こす新たな手法によって、戦争を一層深刻なものにした」と非難しました。
フィンランドは、ロシアとおよそ1300キロにわたって国境を接していて、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて軍事的中立の方針を転換し、ことし4月、NATO=北大西洋条約機構に加盟したばかりです。
合わせてフィンランド政府は、ウクライナで水力発電所のダムが破壊されたことについて「人道的、環境的な災害だ。ウクライナの市民だけでなく、環境に対する大規模な破壊を引き起こす新たな手法によって、戦争を一層深刻なものにした」と非難しました。
フィンランドは、ロシアとおよそ1300キロにわたって国境を接していて、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて軍事的中立の方針を転換し、ことし4月、NATO=北大西洋条約機構に加盟したばかりです。
米紙 “ウクライナ軍がパイプライン攻撃計画 米は事前に把握”

去年9月、ロシアとドイツを結ぶ天然ガスのパイプライン、ノルドストリームで起きた大規模なガス漏れをめぐり、アメリカの有力紙は、バイデン政権が事前にウクライナ軍がパイプラインへの攻撃を計画しているとの情報を把握していたと伝えました。
ロシアとドイツを結ぶ海底のガスパイプライン、ノルドストリームでは去年9月、大規模なガス漏れが発生し、ドイツなどの捜査機関は何者かの破壊工作によるものだとみて捜査を進めています。
アメリカの有力紙ワシントン・ポストは6日、ことし4月に逮捕された空軍州兵がSNS上に流出させたアメリカ政府の機密文書を分析した結果として、バイデン政権が、ガス漏れが起きる3か月前の去年6月に、ウクライナ軍がパイプラインへの攻撃を計画しているとの情報を把握していたと伝えました。
具体的には、6人からなる特殊作戦チームが海中に潜ってパイプラインを攻撃するというもので、情報の詳細はCIA=中央情報局がヨーロッパの情報機関から入手したとしています。
これについて、ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は6日の記者会見で、「捜査の結論が出る前に言及することはない」と述べるにとどめました。
ウクライナ政府はこれまでノルドストリームのガス漏れへの関与を否定していますが、捜査の結果次第では欧米によるウクライナへの支援にも影響を及ぼす可能性があるだけに、真相究明の行方に関心が集まっています。
ロシアとドイツを結ぶ海底のガスパイプライン、ノルドストリームでは去年9月、大規模なガス漏れが発生し、ドイツなどの捜査機関は何者かの破壊工作によるものだとみて捜査を進めています。
アメリカの有力紙ワシントン・ポストは6日、ことし4月に逮捕された空軍州兵がSNS上に流出させたアメリカ政府の機密文書を分析した結果として、バイデン政権が、ガス漏れが起きる3か月前の去年6月に、ウクライナ軍がパイプラインへの攻撃を計画しているとの情報を把握していたと伝えました。
具体的には、6人からなる特殊作戦チームが海中に潜ってパイプラインを攻撃するというもので、情報の詳細はCIA=中央情報局がヨーロッパの情報機関から入手したとしています。
これについて、ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は6日の記者会見で、「捜査の結論が出る前に言及することはない」と述べるにとどめました。
ウクライナ政府はこれまでノルドストリームのガス漏れへの関与を否定していますが、捜査の結果次第では欧米によるウクライナへの支援にも影響を及ぼす可能性があるだけに、真相究明の行方に関心が集まっています。