社会

マイナンバーカード 本人ではない口座登録 約13万件

マイナンバーとひも付けることで、国の給付金などを受け取れる公金受取口座をめぐり、本人ではない家族名義とみられる口座が登録されたケースがおよそ13万件確認されました。
これは、河野デジタル大臣が7日に会見を開き明らかにしました。

公金受取口座をめぐっては、子どもの親など、本人ではない家族名義の口座が登録されたケースのほか、家族ではない、無関係な別の人のマイナンバーに登録されるミスが全国で相次いで確認され、デジタル庁は、すでに登録されているおよそ5400万件を対象に総点検を行っていました。

その結果、本人ではない家族名義とみられる口座が登録されたケースが、およそ13万件確認されたということです。

また、別の人のマイナンバーに登録されたとみられるミスも748件確認されたということです。

現在、マイナンバーの氏名と公金受取口座の名義は、システム上、照合することができないことから、デジタル庁は、2025年6月までのマイナンバーに関する改正法の施行にあわせて、システムの改修を行うとしています。

それまでの間は、マイナンバーの氏名の漢字と金融機関の口座の名義のふりがなを照合する新たなシステムを年内をめどに開発し、実用化を検討するとしています。

一方、別の人のマイナンバーに登録されるミスについては、登録されている口座の情報をマイナポータルサイトから見られなくする措置を、一両日中に行うとしています。

河野大臣は「対象となっている方におかれては、お手間をおかけして申し訳ございません。万一、ご自身でない口座が登録されている場合は、すみやかにご自身の口座に変更していただきたい」と述べました。

デジタル庁は、公金受取口座の登録にあたって、本人の名義しか認められないことを周知してきたとしていますが、結果的に、本人以外の口座の登録はおよそ13万件にのぼり、システムの設計も含めて、不十分な対応が浮き彫りになった形です。

口座をめぐる問題に不安の声

マイナンバーとひも付けることで、国の給付金などを受け取れる公金受取口座をめぐる問題について、都内では不安の声が聞かれました。

10歳の子どもがいる47歳の女性は「私も子どもも、それぞれ本人の口座を登録していますが、マイナンバーカードは個人情報がひも付けられるので心配です。いろんな人が一気に登録したので、問題が起きたのではないか。自分たちの情報も入っているので、国には、しっかり管理してほしいです」と話していました。

最近、自分のマイナンバーカードを作ったばかりだという50代の会社員の女性は「口座をひも付けようと思っていたやさきに問題が出てきたので、まだ登録していません。他人の口座とひも付けられてしまうケースもあるということなので、ちょっと様子をみて、改善してからにしようと思います」と話していました。

専門家 “性急な進め方に対応できず 立ち止まり総点検を”

マイナンバー制度に詳しい中央大学の宮下紘教授は「13万件は決して小さな数ではない。システム上、本人以外の口座をはじくものを運用当初から設定していくべきで、そのように制度設計しておけば防ぐことができたのではないか」と指摘しています。

今回の問題を含めて、マイナンバーをめぐってトラブルが相次いでいることについては、「ポイント事業による性急なカードの交付が1つのきっかけとなって、自治体の現場などでは人の手による対応が十分できなかったり、システム上の十分なチェック期間がなかったりしたことが原因ではないか」と話しています。

そして、今後の政府の対応について、「デジタル化を推進するという方向性は国民の多くが支持するところだと思うが、問題は、その進め方で、あまりに急速に進めたために、人やシステムの対応が行われていないのが現状だ。一度、立ち止まって現在行われている制度が、ミスがないかどうかを総点検し、そのうえで安全点検してからデジタル化を進めていくべきだ」と話していました。

松野官房長官「不安解消への対応講じていく」

松野官房長官は、午後の記者会見で「国民に不安を与えていることについて、大変遺憾と考えている。デジタル庁を中心に、既存のデータやシステムの総点検を行うとともに、新規データの誤登録防止策の徹底などを行っているところであり、引き続き、関係府省などが一丸となって不安解消への対応を講じていく」と述べました。

日本医師会常任理事“信頼に基づき活用 正確さ重要”

日本医師会の長島公之常任理事は「マイナンバーカードと健康保険証の一体化は、医療DXの基盤だ。国民との信頼に基づいて安心して活用できることが大切で、スピード感は重要だが、拙速は避けるべきだと、これまでも主張してきた。国や関係者が、ひも付けを正確に行うことが重要だ」と述べました。

公明 高木政調会長「政府は対応策を」

公明党の高木政務調査会長は記者会見で「デジタル社会において、マイナンバーは必要だが、トラブルにより、国民の信頼が失われかねない。政府には、早急に調査を完了させて、原因や対応策を打ち出し、説明するよう求めたい」と述べました。

また、公金受取口座をめぐるトラブルをことし2月ごろにデジタル庁が把握していたことについては「大臣まで報告を上げていなかったのは大変遺憾な話で、必要なことをトップに上げるのは当然だ」と指摘しました。

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