イニエスタ 古巣バルセロナ戦で華麗なプレー ヴィッセル神戸

サッカーの元スペイン代表でこの夏、J1・ヴィッセル神戸を退団するアンドレス・イニエスタ選手が6日夜、国立競技場で行われた古巣バルセロナとの親善試合に出場し、華麗なプレーで4万7000人を超える観客をわかせました。

イニエスタ選手は2018年にスペインの強豪、バルセロナからヴィッセルに電撃移籍し、来日2シーズン目にはクラブ初のタイトルとなる天皇杯優勝に導くなどヴィッセルの中心選手として活躍しました。

しかし、チームの戦術の変更で昨シーズンの途中からは出場機会が減り、今シーズンもリーグ戦はいずれも途中から3試合の出場にとどまっていて、出場機会を求めてこの夏で退団することが決まっています。

退団を前にイニエスタ選手は6日夜、国立競技場で古巣バルセロナとの親善試合に先発出場しました。
イニエスタ選手は序盤から得意のパスで何度もチャンスを作ったほか、前半31分には味方との連携から自らシュートも打つなど、繰り返し相手のゴールに迫りました。
ゴールはなりませんでしたが、およそ80分間の出場で随所に高い技術を見せ、交代の際にはかつてスペイン代表でともにワールドカップを制したバルセロナのシャビ監督と抱き合いました。

国立競技場には雨の中、4万7335人の観客が詰めかけ、大きな拍手が送られました。
イニエスタ選手は試合後にサポーターに向けて「いつも自分と家族に愛情とリスペクトをありがとう。日本は自分にとって我が家です」と感謝の言葉を伝えました。

イニエスタ選手は、来月1日ホームで行われる北海道コンサドーレ札幌とのリーグ戦を最後にヴィッセルを退団します。

イニエスタ選手「特別な感情がこみ上げてきた」

イニエスタ選手は試合後の記者会見で「この試合は日本のサッカーファンの皆さんにお別れをする場であり、リスペクトと愛情に恩返しをする場と考えていた。それが達成できてとてもうれしい。すべての瞬間が素晴らしい1日だった」と振り返りました。
試合後、競技場を1周した際には涙があふれたと言い「日本での5年間の経験が人生の一部になっているし、それを思い返して特別な感情がこみ上げてきた。このスタジアムでバルセロナと試合ができたことは特別なことで、自分もピッチでプレーを楽むことができた」と話していました。

吉田監督「ピッチ内外でプロフェッショナル」

ヴィッセル神戸の吉田孝行監督は試合後、イニエスタ選手のプレーについて「随所で決定的なチャンスを作ってくれたし、改めて素晴らしい選手だなと感じた。彼がもたらしてくれたものはJリーグにとっても日本のサッカー界においても非常に大きいし、ピッチの内外でプロフェッショナルなところを見せてくれたことに感謝したい」と話していました。

バルセロナ シャビ監督 「私にとって特別な選手の1人」

スペイン代表としてともに2010年のワールドカップで優勝し、長くチームメートとして戦ったバルセロナのシャビ監督は「サッカー界のレジェンドであるイニエスタ選手がいるチームと試合ができて本当にうれしかった。彼はベテランになったがプレーのクオリティーは目を見張るものがあったし、私にとって特別な選手の1人だ。スペインのサッカーにも、バルセロナにも多くのものをもたらしてくれた」とイニエスタ選手の功績をたたえていました。