香港政府 抗議活動で歌われた曲 裁判所に演奏禁じる命令求める

香港政府は4年前の大規模な抗議活動の際に歌われた「香港に栄光あれ」という曲を、演奏することなどを禁じる差し止め命令を裁判所に求めました。

「香港に栄光あれ」という曲は、2019年の大規模な抗議活動の際、各地の集会などで歌われましたが、香港政府はこの歌詞に国家の分裂をあおる内容が含まれているとしています。

香港のメディアによりますと、去年からことしにかけて世界各地で行われたスポーツの国際試合の会場で、香港の選手が表彰される際、中国の国歌「義勇軍行進曲」ではなく、この曲が「香港の国歌」として誤って流される事案が相次ぎました。

香港政府はこうした行為は「国歌を侮辱するだけでなく、国に深刻な打撃を与える」としたうえで、分裂をあおる意図を持ってこの曲を演奏したり、インターネット上に拡散したりすることなどを全面的に禁じる差し止め命令を出すよう5日、裁判所に求めました。

香港では3年前、反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法が施行され、抗議活動で広く使われてきたスローガンが取締りの対象となってきましたが、政府は「この曲がさらに広まる可能性が高い」としています。