都監査委 “五輪・パラ ガバナンスに大きな課題” 報告書公表

東京オリンピック・パラリンピックの事業について、都の監査委員は、組織委員会の元役員や元幹部らが起訴された事件が相次いで起きたことは、ガバナンスの在り方に、大きな課題があったなどと指摘する報告書を公表しました。

東京都が、およそ6000億円を負担して行われた東京大会について、都の監査委員は、運営した組織委員会の事業が適切だったかどうか、2年余りにわたって監査を行い、6日、およそ100ページに及ぶ報告書を公表しました。

それによりますと、コロナが感染拡大する中で大会を運営したことを評価する一方で、スポンサー契約をめぐる事件や、談合事件によって、元役員や元幹部らが起訴されたことについては、ガバナンスの在り方に大きな課題を残したと指摘しています。

具体的には、テストイベントの業務委託について、入札に参加した企業からの出向者が、契約の作成部署に配属されていたことに言及し、出向者の関与を制約することの必要性を指摘しています。

また、スポンサー契約については、今後、同じような大会でスポンサーを選定する際は、
▽一層の透明性を確保するとともに、
▽東京大会では守秘義務を理由に公表されなかったスポンサー契約の金額について、可能なかぎり公開するよう求めています。

監査の対象となった組織委員会は解散していますが、都の監査事務局は「監査には強制力はないが、報告書は将来に向けた課題や提言をまとめた」とコメントしています。

組織委 清算法人「真摯に受け止めている」

今回の報告書について、組織委員会の清算法人は、NHKの取材に対して、「記載された内容を真摯(しんし)に受け止めている。都と連携しながら適切な業務執行に努めてまいりたい」とコメントしています。

また、東京都は「報告書の所見を受け止め、今後の事業実施に生かしていく」とコメントしています。