IRジャパン元副社長を刑事告発 不正に株売却を勧めた疑い

東証プライム上場で企業の株主対応支援などを手がける会社の元副社長が、知人2人に、この会社の株を売却するよう不正に勧めたとして逮捕されたインサイダー取引事件で、証券取引等監視委員会は、金融商品取引法違反の疑いで元副社長を刑事告発しました。関係者によりますと、2人は株の売却で合わせて2000万円を超える損失を免れた疑いがあるということで、東京地検特捜部が実態解明を進めています。

東証プライム上場で企業の株主対応支援などを手がける「アイ・アールジャパンホールディングス」の元副社長、栗尾拓滋容疑者(56)は、おととし4月、会社が業績予想を下方修正したことを発表する直前に、知人の女性2人に自社の株を売却するよう不正に勧めた疑いで先月、東京地検特捜部に逮捕されました。

この会社の株価は発表のあと大きく下落し、関係者によりますと、知人2人は、株の売却で合わせて2000万円を超える損失を免れた疑いがあるということです。

また、元副社長はLINEを使って、具体的な売却のタイミングも2人に伝えていた疑いがあるということで、証券取引等監視委員会は、6日、金融商品取引法違反の取引推奨の疑いで元副社長を特捜部に刑事告発しました。

関係者によりますと、元副社長は容疑を認めているということです。

元副社長は7日が勾留期限で、特捜部は株取引の全容解明を進めているものとみられます。