記録廃棄問題 最高裁が京都 亀岡の暴走事故遺族に説明し謝罪

社会的に注目された少年事件などの記録が各地の裁判所で廃棄されていた問題で、先月、経緯などを報告書にまとめた最高裁判所は6日、京都府亀岡市で起きた暴走事故の遺族に直接、説明し謝罪しました。
遺族は、人の命を奪った事件の記録はすべて残してほしいと求めたということです。

1997年に神戸市で起きた児童連続殺傷事件や、2012年に京都府亀岡市で児童など10人が死傷した暴走事故など、重大事件の記録の廃棄が各地で発覚したことを受けて、最高裁判所は先月25日、廃棄の経緯や保存の在り方について報告書をまとめ、公表しました。

6日は、亀岡市の暴走事故で妊娠中だった娘の幸姫さん(当時26)を亡くした中江美則さんが、京都家庭裁判所で最高裁の担当者から報告書の内容について直接、説明を受けました。

この事故では、京都家裁の担当の管理職が記録を保存するのは殺人や放火などの重大事件に限られると考え、所長などに相談せず廃棄手続きを進めていたことが最高裁の調査で明らかになりました。

最高裁の担当者からは、改めて謝罪があったということで、中江さんは、人の命を奪った事件の記録はすべて残すことや、今後も記録の保存や廃棄の在り方について遺族の意見を聞くことなどを求めたということです。

中江さんは「最高裁が問題について深く考えていると感じた。犠牲になった人の叫びである記録をしっかり見つめ、今後は緊張感を持って取り組んでほしい」と話していました。