東京都 大規模水害時 高架上の首都高を一時避難先で活用の方針

大規模な水害時に土地が海面より低い「海抜ゼロメートル地帯」から、どうやって避難するのか。東京都は、緊急時に高架の上にある首都高速道路を活用するため、出入り口を開放して一時的に避難してもらう方針を明らかにしました。

6日に開会した東京都議会の定例会で小池知事は、先日の記録的な大雨を踏まえ「大規模な水害時に、高速道路の高架部を避難先の最後の砦として、一時的に利用できるようにした」と述べました。

都によりますと、大雨の避難に関する警戒レベル5の緊急安全確保が出された際に、首都高速道路などの出入り口を開放して高架の上にある道路を住民の一時的な避難先として活用する方針です。

その後、用意したバスなどで高速道路を通って安全なところに住民を避難させたい考えです。

都はことし4月、江戸川区と江東区、墨田区、足立区、それに葛飾区の5つの区のほか、高速道路の管理企業と、緊急時の安全確保に向けて首都高速道路などを使うための協定を結びました。

この5つの区には土地が海面より低い「海抜ゼロメートル地帯」が多く、これらの区は洪水や高潮などで最大で250万人が被害を受けると想定しています。

都は今後、各区などと連携して訓練なども行い、大規模な水害への備えを強化することにしています。