犯罪被害者の支援制度 抜本的な見直しや拡充を決定 政府

犯罪被害者の支援制度について、政府は、被害者や遺族に支払われる給付金の大幅な引き上げを検討するなど、制度の抜本的な見直しや拡充に向けた取り組みの強化を決めました。

政府は有識者が参加した6日の会議で、犯罪被害者や遺族が被害内容や生活環境にかかわらず必要な支援を途切れることなく受けられるよう、支援制度を抜本的に見直し拡充に向けた取り組みを強化することを決めました。

このうち、犯罪被害者や遺族に支払われる給付金については、事件当時の被害者の収入などを基準に額が決められる現行の制度に対し、遺族などから改善を求める声が上がっていて、算定方法を見直します。

具体的には、民事裁判の賠償額なども見据え給付額の大幅な引き上げを検討するとしていて、1年以内をめどに見直し策についての結論を出すということです。

また、弁護士による支援についても新たな制度を導入し、事件直後から弁護士が代理人として捜査当局や加害者側と交渉できる仕組みや、現在は一部にとどまっている弁護士費用の負担の対象拡大など、包括的な支援制度を検討し、1年以内をめどに必要な法整備の準備をするとしています。

このほか、犯罪被害者の支援制度は医療や住宅、教育、納税など、分野が多岐にわたることから、関係省庁間で情報共有を図りながら被害者が利用しやすい環境を整備していくことにしています。

岸田首相「政策の充実 強化に全力を」

岸田総理大臣は「犯罪被害者の方々が一日も早く被害から回復し、再び平穏な生活を送ることができるようにするためには、国、地方公共団体、その他さまざまな関係機関が緊密に連携・協力し、支援に取り組むことが重要だ。関係閣僚はきょうの決定に基づき、政策の充実・強化に全力で取り組んでほしい」と述べました。