米軍 台湾海峡で“中国軍の艦艇接近” 当時の現場映像を公開

アメリカ軍は3日、台湾海峡で中国軍の艦艇がアメリカ海軍の駆逐艦の前方を横切り、接近する危険な行為を行ったとしていることについて、当時現場で撮影したとする映像を公開しました。

アメリカのインド太平洋軍は、中国海軍の駆逐艦が3日、台湾海峡を通過していたアメリカ海軍のミサイル駆逐艦「チャンフーン」の前方を横切り、およそ140メートルの距離に接近する危険な行為を行ったと発表しました。

「チャンフーン」は、衝突を避けるために減速したということで、インド太平洋軍は「国際水域での安全な航行という海のルールに違反する」と、中国側の対応を非難しています。

これについてアメリカ軍は当時、「チャンフーン」から撮影したとする映像を新たに公開しました。

映像には、中国海軍の駆逐艦とみられる艦艇が「チャンフーン」の前方で、左から右斜め前の方向に横切る様子がうつっています。

アメリカ軍は、5月30日にも南シナ海の上空を飛行していた軍の偵察機に対して中国軍の戦闘機が前を横切る「攻撃的な飛行を行った」と発表し、偵察機の中から撮影したとする映像を公開しています。

アメリカは、今回も映像を公開することで、中国側の対応が意図しない衝突につながりかねない危険なものだと国際社会に訴えるねらいがあるものとみられます。

中国外務省「先に挑発したのはアメリカ」

これについて中国外務省の汪文斌報道官は、5日の記者会見で、「先に挑発したのはアメリカであり、中国側は法律と規則に基づいて対処した。中国軍がとった措置は完全に合理的かつ合法であり、専門的で安全なものだった。深く反省して誤った行為を正すべきはアメリカだ」と述べ、中国側の対応は正しかったと主張しました。