国内3か所目の「母乳バンク」開設 東京以外では初 愛知 豊明

低体重で生まれた赤ちゃんのため、ドナーから集めた母乳を保管し提供する「母乳バンク」が、愛知県豊明市の藤田医科大学病院に開設されました。
母乳バンクの開設は国内では3か所目で、東京以外では初めてです。

「母乳バンク」は、早産などで1500グラム未満の低体重で生まれた赤ちゃんに、母親が母乳を与えられない場合に、ドナーから集めた母乳「ドナーミルク」を病院からの要請に基づいて提供する施設です。

1500グラム未満で生まれた赤ちゃんは、命に関わる、腸の一部がえ死する病気にかかるリスクが高く、母乳を与えた場合、人工ミルクと比べて、そのリスクをおよそ3分の1に減らすことがわかっています。

昨年度は、東京にある2つの母乳バンクから、全国の800人余りの赤ちゃんにミルクが提供されました。

そして、全国で3か所目となる母乳バンクが、愛知県豊明市の藤田医科大学病院に開設され、5日に施設が公開されました。

部屋には、大型の冷蔵庫が設置され、全国で必要とされるドナーミルクのおよそ2週間分にあたる50リットルを保管することができます。

平常時は、新生児集中治療室がある東海地方の病院向けに提供されますが、災害などで東京のライフラインが止まった場合には、東京の2つの施設に代わって、全国にミルクを届けることも期待されています。

責任者の藤田医科大学病院小児科の宮田昌史教授は「ドナーミルクを早く与えるかどうかで、赤ちゃんの予後が変わってくることがわかってきている。必要な赤ちゃんに確実に届けられるようにしていきたい」と話しています。