長崎市選管 投票所での性別暴露問題 本人確認の対応改善の意向

ことし4月の統一地方選挙で、トランスジェンダーの有権者が長崎市の投票所で、市の担当者から本人の同意無しに戸籍上の性別などを暴露されたとして改善を要望していた問題で、市の選挙管理委員会は今後、対応の改善を図っていく考えを示しました。

この問題は、戸籍上の性別は男性で自認する性別は女性のトランスジェンダーである吉村ゆうさんが、ことし4月の長崎市長・市議選挙の期日前投票所で、市の担当者から周囲に聞こえるような声で戸籍上の名前を読み上げたり、「じゃあ男性ですね」などと言われたとして、市の選挙管理委員会に改善を求める要望書を提出していたものです。

今月2日、長崎市選挙管理委員会の桂祥事務局長は吉村さんと面会し、投票所において配慮が足りなかったことを認め、今後は研修を充実させ、本人確認を行う際は第三者に性別などの情報が漏れないよう対応を見直す考えを示しました。

一方、この日の面会で市側から吉村さんへの謝罪のことばはありませんでした。

吉村さんは面会のあと報道陣の取材に対し、「市側が現時点でできることをしてくれたと思いますが、謝罪がなかったのは残念でした。相手の気持ちに寄り添うことが、いちばん大事だと思います。市は発言に相手がどう思うのかを想像してもらいたいです」と話していました。