【詳細】ロシア ウクライナに軍事侵攻(5日の動き)

ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻が続いています。

ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交など、ウクライナ情勢をめぐる5日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

ロシア国防省「ウクライナのテロリスト阻止」と発表

ウクライナと国境を接するロシア西部のベルゴロド州では6月に入り戦闘が続いていて、ロシア国防省は5日「ロシア軍と治安機関のFSB=連邦保安庁の部隊が4日、ベルゴロド州に侵入しようとしたウクライナのテロリストを阻止した。10人以上のテロリストを殺害し、装甲車などを破壊した」と発表しました。

一方、プーチン政権に反対するロシア人などの義勇兵を名乗る2つの組織はベルゴロド州で戦闘を行っていると繰り返し主張していて、4日にはSNSに複数のロシア兵を捕虜にしたとする動画を投稿しています。

ベルゴロド州で戦闘が相次ぐ事態に、ロシア側は国境に部隊を展開するなどしていっそう警戒を強めているとみられます。

ウクライナ陸軍司令官「われわれはバフムト近郊で前進」

ウクライナ陸軍のシルスキー司令官はドネツク州の拠点バフムトについて3日、SNSに「敵はバフムト方面で重大な損失を被り続けている」と投稿したほか、5日には「われわれはバフムト近郊で前進を続けている」と書き込みました。バフムトを巡っては5月、ロシア側が激しい戦闘の末に掌握を主張しましたが、ウクライナ軍が反撃を続けている可能性があります。

また、ウクライナと国境を接するロシア西部のベルゴロド州では今月に入り戦闘が続いていて、地元の州知事は5日、電力施設で火災が起き、無人機による攻撃を受けたとみられるとSNSで発表しました。

ウクライナとの国境に近い各地のロシア側の燃料施設などに対しても無人機による攻撃が相次いでいるとされ、ウクライナ軍が反転攻勢に向けた準備段階の作戦を進めているという見方も出る中、ロシア側は警戒を強めています。

“ウクライナ軍が大規模攻撃も撃退” ロシア国防省 未明に発表

ロシア国防省は5日未明「敵は4日の朝、南ドネツク方面の5か所の戦線で大規模な攻撃を開始した」と発表し、東部ドネツク州のロシア側の支配地域で、ウクライナ軍が反転攻勢を仕掛けたものの、これを撃退したと主張しました。

未明の発表は異例で、国防省の報道官は多くのウクライナ軍兵士を殺害し戦闘車両を破壊したと主張したほか、軍事侵攻の指揮を執る総司令官を務めるゲラシモフ参謀総長が当時前線の司令部にいたとしています。

ウクライナ国防省「ロシア軍は情報戦を強化している」

これに対してウクライナ国防省は「ロシア軍は信頼性の低い情報を拡散し、情報戦を強化している」としています。ウクライナ側は近く始めるとしている大規模な反転攻勢について具体的な時期などは明言せず、ウクライナ軍の動向が焦点となっています。

ロシア国内 ナワリヌイ氏釈放求める抗議活動で100人超拘束

ロシアでプーチン政権を批判する急先ぽうとして知られ、刑務所に収監されている反体制派の指導者、アレクセイ・ナワリヌイ氏の釈放を求める抗議活動が国内各地で行われ、100人を超す支持者が拘束されました。

抗議活動は4日、ナワリヌイ氏の47歳の誕生日にあわせて、支持組織の呼びかけで行われました。
支持者らは「ナワリヌイ氏に自由を」などと書かれた紙を手に釈放を訴えましたが、治安部隊に次々と拘束され、ロシアの人権団体によりますと、日本時間の5日6時の時点で首都モスクワなど24の都市で、あわせて100人以上が拘束されたということです。

ナワリヌイ氏は4日、SNSで「ロシアで真実を語り、正義を貫くことが当たり前のこととして危険でなくなる日が必ず来る」と訴え、政権側の抑圧とたたかう姿勢を改めて示しました。

ナワリヌイ氏はプーチン政権を批判する急先ぽうとして若者たちを中心に一定の支持を集め、おととし過去の経済事件を理由に逮捕され刑務所に収監されたあとも政権批判を続けています。また、ウクライナ侵攻を繰り返し非難しロシア軍の即時撤退と政権交代の必要性を強く訴えていて、プーチン政権はナワリヌイ氏への支持の広がりに神経をとがらせているものとみられます。

「計画は沈黙を愛する」ウクライナ国防省次官SNSに投稿

ウクライナ国防省のマリャル次官は4日、SNS上に「計画は沈黙を愛する。開始の宣言はない」とする文章とともに、覆面やサングラスをつけた兵士たちが口元に人さし指を当てるしぐさをする動画を公表しました。

地元メディアは、ウクライナ軍が近く始めるとしている大規模な反転攻勢についてのメッセージだと伝えています。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ウクライナ軍が近く始めるとしている大規模な反転攻勢について、「準備はできている」としていますが、具体的な時期などは明言していません。

米シンクタンク「ウクライナ軍 情報管理の徹底か」

アメリカのシンクタンク戦争研究所は、「ウクライナ側は作戦の情報管理の徹底を図っているのだろう」と分析しています。

ウクライナ国防相 反転攻勢は地上戦中心に

ウクライナのレズニコフ国防相は、4日、NHKとの単独インタビューで、欧米各国が支援を表明しているF16戦闘機については、投入は秋以降になるとの見方を示し、「この夏は地上のすべての装備品を使う」と述べ、反転攻勢ではまずは地上戦を中心に進める考えを示しました。