大雨 急激に水が増えた様子が防犯カメラの映像で 和歌山 海南

今回の記録的な大雨で住宅や店舗が水につかるなどの被害が出た、和歌山県海南市では、4日も住民などが片づけ作業を行っていました。

海南市の池端豊さん(69)が経営するバイクや自転車の販売店は、3日の大雨で店内が水につかり、4日はあわせて10人ほどが、店の中に入った泥をホースの水で流したり、水につかって使えなくなった物をまとめたりしていました。

この店に設置された防犯カメラの映像からは、2日、店内に水が入り始めてから1時間ほどの間に急激に水が増え、太ももくらいの高さまで水につかったことがわかります。

映像では、店の中に水が入り始めたのは2日の午後2時半ごろ。

そのおよそ30分後には、水はローテーブルの高さにまで達しています。

さらにその15分後、ソファーなどの大きな家具が水に浮き始め、部屋の中のさまざまなものが流れている様子がわかります。

この直後、池端さんは店の外に避難したということです。

池端さんによりますと、店のすぐそばには貴志川に注ぐ水路があり、その水路から水が逆流してきたということです。

店の近くにある貴志川の野上新橋観測所では午後1時20分に氾濫危険水位を超えていて、店の中に水が入り始めたのはその1時間ほどあとでした。

池端さんは「2011年の紀伊半島豪雨のときはひざくらいまで水につかったが、今回は首のあたりまで水がきていたようです。バイクの修理に使う機械はほとんどだめになってしまいました。店の修繕にも費用がかかるし、再開できるかどうかわかりません」と話していました。

水位計データ 2時間で4.5m近く上昇

浸水の様子が撮影された店の近くには一級河川の貴志川が流れています。

店から700メートルほどの場所に設置されていた和歌山県の水位計のデータでは、2日の朝の時点では、貴志川の水位は30センチ程度でしたが、徐々に水位が上昇し、正午には2メートルになっていました。

その後、水位が急激に上昇し、
▽午後1時には4.3メートル
▽午後2時には6.42メートルに達して、
氾濫の危険性が非常に高い「氾濫危険水位」を超えました。

正午からの2時間で、水位が4.5メートル近く、一気に上昇したことになります。

その後も水位は上昇を続け、
▽午後5時には8.28メートルに達しました。