アメリカなどの海軍と中国海軍の艦艇 台湾海峡で140mに接近

アメリカ軍は、アメリカとカナダの海軍の艦艇が3日、合同で台湾海峡を通過した際、中国海軍の駆逐艦が前方およそ140メートルの距離で横切る危険な行為を行ったと発表しました。

アメリカのインド太平洋軍は、アメリカ海軍のミサイル駆逐艦「チャンフーン」がカナダ海軍のフリゲート艦とともに3日に台湾海峡を通過した際、中国海軍の駆逐艦が危険な行為を行ったと発表しました。

それによりますと、「チャンフーン」などが台湾海峡を南から北に向けて航行していたところ、中国海軍の駆逐艦が左から追い抜き、「チャンフーン」の前方およそ140メートルの位置で横切ったということです。

「チャンフーン」は針路を保ちながら、衝突を避けるために減速したとしています。

その後、中国海軍の駆逐艦は、「チャンフーン」の前方およそ1800メートルの位置で右側から再び横切り、左前方の位置でとどまったということです。

インド太平洋軍は、中国海軍の駆逐艦がおよそ140メートルの距離まで接近したことについて、「国際水域での安全な航行という海のルールに違反する」と非難しました。

中国は、アメリカ軍が定期的に海軍の艦艇を台湾海峡で航行させていることに反発しています。

今回、現場の海域では、両国の艦艇が極めて近い距離まで接近した形で、アメリカ軍としては、意図しない衝突につながりかねないとして、中国側の対応に懸念を深めているとみられます。

中国軍東部戦区報道官「法律と規則に基づいて対処した」

中国軍で台湾方面などを管轄する東部戦区の報道官は3日夜、談話を発表し、アメリカとカナダの軍の艦艇が合同で台湾海峡を通過したことに対し、「海軍と空軍の兵力を組織してすべての行程を監視・警戒し、法律と規則に基づいて対処した」としています。

そのうえで「戦区の部隊はあらゆる威嚇や挑発に対応し、国家の主権と安全、それに地域の平和と安定を断固として守る」とけん制しました。