日韓防衛相 レーダー照射問題などの懸案 協議の加速化で一致

浜田防衛大臣は訪問先のシンガポールで、韓国のイ・ジョンソプ(李鐘燮)国防相と会談し、韓国軍による自衛隊機へのレーダー照射問題など、日韓の懸案について、両国で再発防止策を含めた協議を加速化させることで一致しました。

浜田防衛大臣は訪問先のシンガポールで、日本時間の4日午前11時すぎからおよそ40分間、イ・ジョンソプ国防相と会談しました。

日韓防衛相会談が行われたのは、2019年11月以来、およそ3年半ぶりとなります。
会談で、浜田大臣は、5年前の2018年12月に海上自衛隊の哨戒機が日本海で韓国軍の駆逐艦から射撃管制用レーダーの照射を受けた問題について、韓国側に再発防止の徹底を強く求めるなどとした防衛省の最終見解を改めて伝えました。

これに対し韓国側は、レーダーの照射は行っていないというこれまでの見解を改めて示しました。

その上で両大臣は、日韓の防衛当局間の協力を進展させる必要性を確認し、レーダー照射問題などの懸案について、両国の事務レベルで再発防止策を含めた協議を加速化させることで一致しました。

また会談で両大臣は、先に北朝鮮が弾道ミサイル技術を使用して軍事偵察衛星の打ち上げを試みたことについて、関連する国連安保理決議に違反するものだと強く非難するとともに、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するため、日韓や日米韓3か国の防衛協力を推進していく重要性を確認しました。

浜田防衛相「双方にしっかりと率直に議論しようという姿勢」

会談のあと浜田防衛大臣は記者団に対し「日韓双方に互いにしっかりと率直に議論しようという姿勢があった。会談の結果も含め、引き続き韓国側と緊密に意思疎通を図っていきたい」と述べました。

韓国国防省「双方の立場はそのままで 互いに再発防止策講じる」

この問題について、韓国国防省は、自衛隊機が韓国軍の艦船に低空で威嚇飛行をしたと一貫して主張して、韓国では「哨戒機問題」と呼ばれています。

イ・ジョンソプ国防相は会談後、韓国の記者団に対し、「両国が再発防止対策を講じることに重点を置いて実務協議を始めていくことで一致した」と述べました。

これについて韓国国防省の関係者は「韓国と日本の当局の立場は現在も変わっていない」とする一方で、「ひとまず双方の立場はそのままで、互いに再発防止策を講じていくことで一致した」と説明しています。

そのうえで「こうした状況が再び発生しないことが大切だ。両国の防衛当局間の信頼関係を構築しながら、多様な交流・協力の推進が重要だ」としています。