「新しい資本主義」改訂案 リスキリングや生成AI開発を強化

岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の実行計画の改訂案がまとまりました。構造的な賃上げを実現するため、リスキリング=学び直しの支援などを通じた労働市場改革の推進や、新たな産業創出に向けた生成AIの研究開発の強化などが新たに盛り込まれました。

改訂案では「新しい資本主義」に基づく政策は、30年ぶりの高い水準の賃上げにつながるなど着実に進展しているとする一方、新たな課題として、労働市場の硬直化や投資の遅れなどを明記しています。

その上で、構造的な賃上げには、成長産業への労働移動の円滑化が欠かせないとして、個人のリスキリングの支援などを通じた労働市場改革を推進していくとしています。

また、国内投資の拡大が良質な雇用を増やし、少子化対策にも貢献するとして、各地で半導体やバイオなどの戦略分野の大規模な産業拠点の立地を促進するため、税制や予算面での支援の検討も明記しています。

さらに急速に普及する生成AIについて各国に遅れはとれないとして、個人情報の漏えいなどへの対応を進めつつ、新たな産業創出に向けて、研究開発を強化していくとしています。

政府は与党とも調整した上で、今月中に計画の改訂を決定する方針です。