茨城 取手 広範囲で住宅浸水 ポンプでの排水難航も

茨城県取手市の住宅街では、複数の住宅が3日夕方になっても床上まで水につかった状態で、消防がゴムボートで取り残された人たちの救助活動を行っています。

浸水被害が出ているのは取手市北部の双葉地区です。

消防によりますと、この地区では3日午前8時すぎから救助活動を続けられていて、午後5時半までに23人を救助し、今のところけがをした人や行方が分からなくなっている人はいないということです。

地元の自治会長によりますと、双葉地区はおよそ1120世帯が暮らしていて、浸水は地区の広い範囲に及んでいるということですが、市は被害の全容はわかっていないとしています。

3日午後には、水かさが足の付け根ほどの高さまで上がるなか、歩いて家の外まで避難したり、自宅の中に入った水をバケツで外にくみ出したりする住民がいたほか、自宅の2階から外の様子を心配そうに眺める人もいました。

40年ほど住んでいるという男性は「この地区は雨が降るたびに住宅が浸水してきたが、ここまでひどいのは初めてです。自宅の電気は止まり、プロパンガスのボンベも水に浮いてしまっています」と話していました。

取手市によりますと、浸水を防ぐため2日の夕方から2機の排水ポンプを稼働させていたということですが、排水先の小貝川が増水して作業が難航しているということです。

地区の自治会長「今までにない規模の浸水」

住宅が広い範囲で水につかっている茨城県取手市の双葉地区の自治会長によりますと、3日午前4時半ごろから水があふれ出し、大人の胸の高さほどの深さになったところもあったということです。

双葉地区は牛久沼と小貝川に挟まれた地域で、あふれた水を排水ポンプで小貝川に流そうとしているものの、川の水位も高いため難航しているということです。

この地区には1人暮らしの高齢者も多く、自治会長によりますとこれまでに高齢者を中心に10人以上が消防のボートで救助されたということです。

これまでのところ、けがをした人や連絡がとれない人がいるという情報は寄せられていないということです。

自治会長は「これまでも大雨の際に浸水することがあったので、家の土地をかさ上げしていた人もいるが、今までにない規模の浸水だと感じている」と話していました。