バイデン大統領「経済的危機を回避」債務不履行回避の意義強調

アメリカで政府の借金の上限、債務上限を一時的になくす法案が議会で可決されたことを受けてバイデン大統領が国民に向けて演説し、「われわれは経済的な危機を回避した」と述べて国債の債務不履行を回避できることになった意義を強調しました。

アメリカ政府の債務上限をめぐって対立していたバイデン政権と野党・共和党は、ぎりぎりの交渉の結果、上限を2025年1月まで一時的になくすことで合意し、法案は議会下院に続いて1日、上院でも可決されました。

これを受けてバイデン大統領は2日夜、国民に向けて演説し、「法案が可決されなければアメリカの247年の歴史で初めて債務不履行に陥り、これ以上ないほどの悲惨なことになっていた」と振り返ったうえで、「われわれは経済的な危機と破綻を回避した」と述べて歓迎しました。

また、超党派での合意に至ったことについて「望んでいるすべてのものを手に入れた人はいなかったが、アメリカ国民は必要なものを手に入れた」と述べて、その意義を強調しました。

バイデン大統領は、今回の演説を初めてホワイトハウスの執務室から行いました。

ロイター通信によりますと、大統領執務室からの演説は過去には2001年の同時多発テロ事件後に当時のブッシュ大統領が行ったケースなど、アメリカが重大な危機に見舞われたときに行われています。

来年秋の大統領選挙で再選を目指すバイデン大統領としては、歴史的な難局をみずからの手腕で乗り切ったとアピールするねらいがあったとみられます。

法案は、バイデン大統領が3日に署名して成立します。