天安門事件から34年を前に ニューヨークに記念館が開館

中国の北京で民主化を求める学生らの運動が武力で鎮圧され、大勢の死傷者が出た天安門事件から34年になるのを前に、事件の資料を集めた記念館が2日、アメリカ・ニューヨークで開館しました。

この記念館は、1989年6月4日に起きた天安門事件で、当時の学生リーダーの1人でアメリカに亡命した王丹氏らが募金を募りニューヨーク・マンハッタンのビルの中に設立しました。

記念館は、これまで香港で民主派の市民団体が運営してきましたが、政府による統制が強まる中、おととし香港の警察の捜索を受けるなどして閉館していました。

開館を記念する式典が2日行われ、王氏は「現在も政権によって人々が脅かされている。事件で犠牲になった人々を追悼し、当時の中国人の民主化の夢を思い返すべきだ」と述べ、事件を風化させないことが必要だと訴えました。

香港の記念館で展示されていた品々のほとんどが当局に押収されたため、ここには関係者から新たに寄せられた血に染まったシャツや当時の新聞記事などが展示されています。

この日は、当時の学生運動のリーダーや事件の関係者などが招待され、長年、中国の人権問題に取り組んできたという弁護士の男性は「これは単なる記憶ではなく未来に関わることで、ニューヨークに記念館ができたことには大きな意味がある」と話していました。