緊急安全確保 愛知 豊橋 7万人超対象 市は被害状況把握できず

愛知県豊橋市は市内を流れる梅田川と柳生川が危険な水位に達しているとして「緊急安全確保」を出しました。

対象は流域の合わせて3万5009世帯7万6696人です。

警戒レベルで最も高いレベル5で近くの建物や自宅の2階以上、斜面から離れた場所など周囲の状況を確認し、少しでも安全な場所で命が助かる可能性の高い行動を取るよう呼びかけています。

この緊急安全確保について市は当初、対象をおよそ5万8000世帯の13万人余りとしていましたが、数に誤りがあったとして修正しました。

豊橋市 被害状況把握できず

豊橋市の災害対策本部によりますと、午後9時半現在、大雨による被害の情報が寄せられているのは、主に牛川町、加茂町、それに下条町のいずれも豊川沿いの低い土地だということです。

その地域には合わせて2010世帯5055人が住んでいて、市役所には住民から「浸水した場所に取り残されている」とか「外に出られないので助けに来てほしい」という連絡があるということです。

しかし、周辺の道路が冠水していて近づけず、どのくらいの世帯で浸水しているなど状況が把握できていないということです。

豊橋市では、3日の明け方から状況の確認を行うことにしています。

豊川流域 川の水をあふれさせ決壊防ぐ複数の「霞堤」が

愛知県東部を流れる豊川の流域には、あえて堤防の一部を低くして川の水をあふれさせることで大規模な決壊による洪水を防ぐ「霞堤」が複数、整備されていて、周辺の住民からは倉庫や車などが水につかっているという声が聞かれました。

霞堤がある地区には住宅もあり、このうち豊橋市賀茂町の男性によりますと、2日午後10時前の時点で、床上まであと30センチほどにまで水位が上がり玄関は水につかりそうな状態だといいます。

男性は「今回は線状降水帯で長い時間雨が降ったので、なかなか水が引いていかないと感じている。倉庫の中にある農作業の機械などは水につかっていて、乗用車も車内の足元のあたりまで水が上がっていると思う」と話していました。

そのうえで「このあたりは土地が低いので、うちは家を建てるときに心配で少しかさ上げをしていたが、昔ながらの家は低いままなので床上まで浸水しているかもしれない。今夜もどこまで水が上がるか心配で、寝られなさそうだ。あすは、水が引いたら、水浸しになった倉庫の整理などをしたいが、数日はかかりそうだ」と話していました。

同じ地区に住む別の男性は「自宅の玄関まで水が上がっているが、床上までは浸水していない。車は半分ほど水につかり、農機具や畑も水没した。このあたりでは過去にも何度も浸水を経験していて慣れてはいる。今回は、過去の被害がひどいときに比べるとまだいい方ではある」と話していました。